112話 見定め
「皇族方からご覧になって左側から紹介しましょう!」
司会が決勝の選手の紹介を始めた。
決勝の紹介は主催者である第一皇子の視点で紹介される。
帝都における身分の権威を表しているが一般客からしたら見にくいことこの上ないな。
「ご入場ください!今大会初出場にして目を見張る美しい技術で決勝まで勝ち上がった異国の貴公子!トーズ卿!」
彼が入場すると会場に歓声が巻き起こった。
そう司会が言うとトーズ卿が入場してきた。
彼もリールと同じく勝ち進んできた。
まあハンナが認める実力者だ。
驚きはしない。
「さすがは公国推薦の騎士だな」
第一皇子は嬉しそうに言う。
第一皇子からすれば自分が推薦承認した騎士が余裕で勝ち上がってきたのだ。
リールを止めて自分のプライドを守れる最後の砦なのだろう。
今やどちらにも僕の息がかかってるとも知らずに愚かだ。
「そうですね。次の試合はどちらが勝つか楽しみです」
これは本心だ。
もちろん、トーズ卿がリールに勝てるとは思わないがこの試合で一番の実力者ということは確かだ。
見ごたえのある戦いになるだろう。
「次に右側をご覧ください!」
やっとリールの入場が始まった。
「同じく今大会初出場!北からやってきた圧倒的な力!リール・フォン・フォーク卿!」
リールの名前が呼ばれるとトーズ卿に負けるとも劣らない
リールは本名で呼ばれた。
女騎士が珍しい帝都では家名が重視されるからだ。
リールもこの大会で結構有名になった。
対戦相手を全て1撃で瞬殺して汗一つ見せないのだ。
帝都民からすれば異様だろう。
しかしリールの実力が圧倒的なのはトーズ卿から見てもわかるだろう。
トーズ卿はどんな気持ちで相対しているのだろうか?
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トーズ視点
「あれが、、、第五皇女の右腕、、、」
ハンナから第五皇女の庇護下にあると聞いたときは驚いた。
何の力もないと思われていたがここ数週間で北部の者達と自派閥を作って急に勢力を表した話題の中心だったからだ。
力がある程度あるのは噂からでもわかった。
しかしある程度では叔父はおろか他皇帝候補に対抗できない。
私は北部がどんなところかも第五皇女がどんな人かも知らない。
だからせめて右腕の実力は試させてもらう。
次回投稿は金曜日です。
1回分お休みさせていただきます。
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