111話 決勝進出
「なッ!」
第一皇子は僕の横で目を疑っている。
自分の陣営で有数の実力者が華奢な少女に瞬殺されたのだ。
しかも金をかけてそうな重厚な両手剣が片手剣に当たった瞬間粉々になったのだ。
「何が起こった!」
第一皇子は悔しいのか驚いているのかわからないが状況を確かめようとわめき散らす。
「見た通りですよ。リールがレオルド卿を倒したんですよ」
僕がそれを告げると第一皇子は悔しそうにしていた。
彼の予定だとここでレオルド卿がリールをぼこぼこにして僕のメンツをつぶす予定だったのだろうがそうはならなかった。
まあ彼の両手剣がリールに直撃したとしてもオリハルコンのフルプレートには傷一つつかないため最初からリールの勝ちは決まっていた。
まあ少しはリールの実力を理解しただろう。
「ま、まあお互い初戦だ。」
第一皇子は悔し紛れに言ってきた。
「そうですね。次の試合も楽しみです」
僕は清々しいほどの笑顔で返した。
第一皇子はそれを見て更に悔しさが増していた。
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それから大会は何もなく順調に進んで行った。
ハンナから警告もなかったしあちらも順調にことを終わらせたのだろう。
リールの方も変わらず相手の武器を粉々にしたり鎧ごと相手の骨を折ったり第一皇子の用意した相手をぼこぼこに蹂躙していった。
「いや~この大会は面白いですね」
僕は連戦連敗の第一皇子に向けて特段の皮肉を言う。
「そ、、、そうだな、、、妹に楽しんでくれて兄としてもうれしいよ、、、、、」
第一皇子は今にも机をたたきそうな感じだ。
生まれてずっと「あなたが1番だ」と周りの取り巻きに言われ続けたのだ。
初めてではないかもしれないが相当悔しいだろう。
「さて、次が本選の決勝ですね」
「、、、ああ、そうだな」
僕の言う通り次が決勝だ。
正確には第一皇子の選抜隊との戦いがまだ残っているが予選から上がってきた者との戦いはこれが最後だ。
「お越しの皆さま!」
司会がこれまでよりも一層大きな声で注目を集める。
「今大会は波乱の連続となりました。優勝候補だったレオルド卿が初参加のリール嬢に倒されそのリール嬢が他の優勝候補たちを次々と倒していったのです」
「うおー!」
「おー!」
観客席からは歓声が聞こえる。
ここまでリールは7回の戦いを全て一瞬で終わらせてきた。
その絶対的な強さには今日だけでも相当なファンができただろうな。
「そしてその波瀾の大会の一般試合もこれで決勝!では進出した2人をご紹介いたしましょう!」
司会が大げさな動作でフィールドの両端にある地下からの入場口に手を向けた。
次回投稿は火曜日になります。
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