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109話 再会の誓い

「大公様、もう時間です」


 楽しい時間はあっという間に過ぎ去った。

 隊長が私たちにタイムリミットを告げる。

 これ以上トーズがいると怪しまれてしまうからだ。


「ではこれで」


 トーズは立ち上がった。

 この部屋に入ってきた責任感に押しつぶされそうな顔をしていた騎士ではなく彼はもう私の知る幼馴染に戻っていた。

 

「次は公国で会いましょう。あの叔父もクーデター参加者も全員倒して玉座に座りながら話しましょう」


 トーズは希望にあふれた顔で言った。


「うん、必ず、、、必ず玉座の間に舞い戻ってみせるよ。準備ができたら知らせを送る。その時まで待ってて」

「はい、私の主君。私の愛しき人」


 トーズは私の前でひざまずいて私の手の甲にキスした。

 騎士として、婚約者として彼はその時何者よりも頼りがいがあった。


「では」

「うん、またね」


 トーズは扉の前で私に笑顔を見せるとすぐに切り替えて扉の反対側に人がいないかどうか確かめた。

 いないことを確認すると扉を開けて廊下に出た。

 彼は去り際にまた笑顔を見せてくれた。


「これは私も頑張らなきゃね」

「大公様、今言うのは適切かどうかわかりませんが婚約おめでとうございます。やはりあなたにふさわしい方ですね」

 

 隊長はそんな言葉をかけてくれた。

 私も笑顔で返した。


「ありがとうございます」


 トーズが使節団の部屋に戻ったことを確認すると隊長が言ってきた。


「戻れます。行きましょう」

「わかりました。行きましょう」


 私はフードを深くかぶり部屋を出た。

 部屋を出ると私は切り替えて幼馴染と笑顔で語った無垢な少女から冷徹な指揮官に戻った。

 いつか常に無垢な少女でいられる環境を取り戻すと誓って。




ー--------------



 そろそろあっちも終わった頃だろう。

 公国の後継者とその婚約者がラブラブだったのは有名な話だ。

 きっとうまくやっているだろう。


「そういえばまもなくお前の護衛の番だな」

「そうですね。私もリールの相手がどんなのか楽しみです」


 第一皇子にそう言われる。

 第一皇子の言う通りもうすぐリールの出番だ。

 今日は予選の昨日と違ってリールは制服や鎧を着て僕の騎士として戦う。

 彼女も張り切っていた。


「ではお次の試合に参りましょう!」


 フィールドで司会が話し始めた。


「フォーク家のリール嬢に相対するはレオルド伯爵家嫡子、カット・フォン・レオルド卿です!」


「うおー!」

「レオルド様!」

「キャー!」


 リールの対戦相手の名前が上がると会場のいたるところから黄色い歓声が上がる。

 

「ずいぶんと令嬢方に人気ですね」

「レオルド家は容姿端麗で有名だからな」


 第一皇子は自慢げに言った。

 レオルド家、、ああ、正統派陣営の幹部か。

 リールに持ってきてもらった諜報結果にあった家名だ。

 確か代々南方の騎士団で団長を務めて来た家だ。


「さあ始まるぞ。見ようではないか」


 第一皇子が不敵な笑みを浮かべる。

 、、、これは何か仕掛けたな。


「ええ、見ましょう」


 そうして本選におけるリールの第一戦が始まった。


1回分遅れてしまいました!

申し訳ございません!


次回投稿は火曜日になります。


読んでくれてありがとうございました!




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