↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

109/138

108話 つかの間の再開


「とりあえずこっち来て」

「あ、、、」


 私はトーズの腕をつかんで部屋に戻る。

 部屋に入ると外套を脱いだ兵達が待っていた。一部は盗聴を継続している。

 歴戦の猛者の風格を漂わせる兵達にトーズは一瞬警戒する。


「その制服に明らかに強そうなオーラ、北部軍ですか?」

「そうだよ。これも後々説明するよ。でもとりあえず味方だからそこは安心して」


 僕がトーズを安心させると隊長が前に出てきて挨拶した。


「始めましてトーズ卿。北部軍帝都派遣隊所属の者です。今回の大会中の大公様の護衛を担当させてもらっています」

「こちらこそ初めまして。婚約者を守っていただきありがとうございます。」


 その言葉を聞いて驚いた。

 トーズは今でも私のことを婚約者を思っていてくれたのだ。

 大公の地位を追われ公国から奴隷として売られたみじめな私を未だに婚約者と言ってくれたのだ。


「いえ、これが任務ですので」


 私はトーズの顔を見て言った。


「ありがとう、こんな私にまだ気を使ってくれて」

「当然じゃないか、あの醜悪な叔父に追い出されても君は君だ。生きてる限りまた元に戻れるよ」


 その時ほどトーズの肩が大きく見えたときはなかった。

 その後しばらくトーズの肩にもたれかかった。

 彼は状況もつかめない中私のことを思って頭を撫でてくれた。


「さて、そろそろ状況を説明しなきゃね」


 それからトーズには全て話した。

 私が奴隷として帝都で売られていたこと。

 どうしようもない状況で殿下に拾ってもらったこと。

 奴隷から解放してくれて殿下の力をもって私に希望を与えてくれたこと。

 トーズは最初は驚いていたがしまいには安心していた。

 彼は私の予想通り選手として出国して大会が終わったら使節団から逃げて私を探すつもりだったらしい。

 私を買い戻す用の資金も持ってきていたため本気だったようだ。


「トーズ、ありがとう」

「婚約者として当然のことだよ。親はもう味方ではないけど君が無事ならよかった」


 トーズは再度頭を撫でてくれた。

 私は久しぶりに気を抜いて甘えた。


「いやー噂は本当だったんですね」

「噂?」


 隊長や兵が言う。


「公国の次期大公とその婚約者は政略結婚としては異例の両想いカップルだって噂、北部まで流れてきましたよ」

「なっ、、、」


 少し恥ずかしい。

 でも思い返してみればお父様が生きてて公国も平穏だったころは2人でよく各地に遊びに行った。

 きっとそのころに誰かに見られていたのだろう。

 、、、でもよかった。

 こうしてまた会えて、いつかまた2人で公国で遊びたいな。


 私たちはまたしばらく再開を分かち合った。

 使節団をごまかせるギリギリの時間まで。

次回投稿は金曜日になります。



読んでくれてありがとうございました!




もし面白い・続きが読みたいと思っていただけたらブックマークや広告下の☆☆☆☆☆でポイントを入れていただけるとうれしいです!




評価はモチベに繋がりますのでよかったらお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。