387.旅行記(7-2)
「中央改札の上にある大壁画って、改札の中からでも見えるんだね。」
「ツアコンさん、下見はしてなかったの?」
「うん。見えたらラッキーぐらいな感じで案内してた。」
「そなんだ。」
「今度は下から見上げるんじゃなくて、改札の外からも見てみたいです。」
「考えてみたら上野の地平ホームからの列車に乗るのって初めてだ。」
「俺も。」
「こういう行きどまりの線路からの発車で、しかもボックス席っていうのは雰囲気がありますね。」
「中央改札から歩いてきたから余計にそう感じるよね。」
「今日の集合時間は本数の少ない地平ホーム発の列車に合わせてあったんだね。」
「ところで、トモが進行方向左側の席を推したのは何か理由があるの?」
「列車は左側通行だから、普通はすれ違う列車が見える右側の席のが好まれるらしいんだ。」
「なら逆じゃない?」
「そうなんだけど、これから乗る区間は左側にも線路があるし、こっち側にある尾久の車両基地を見たかったから。」
「そういえば前に行った飛鳥山もこっち側だったかな?」
「そう。更に大宮操車場、さいたま新都心の脇だね、あとは僕たちの降りる大宮よりも先になるけれど、工場や博物館もこっち側にある。」
「この発車を待ってる時間ってのもワクワクするよね。」
「大宮までは30分くらいですか?」
「だいたいそのくらい。」
「あ、発車だ。」
「この列車はさっき見た13.5番線からの『四季島』とほぼ同じルートで発車してゆくんだよ。」
「豪華さでは全然かなわないけれど、雰囲気だけでも楽しみます。」
「今日は運転してる日だったかな?休みならば尾久に停まってると思うよ。たぶん遠くの方だけど。」
「あ、明るい所に出ました。少し暗かったホームから、こうやって他の線路の高さまで上って行くんですね。気分が盛り上がります。」




