377.犬くぎ(1)
「次の『い』は『犬くぎ』でお願いします。でも、どこが犬なの?」
「現在使われるものの格好だとそれっぽくはないけどさ、昔は釘の頭が犬の頭みたいな形のものがあったらしいよ。」
「たまたま似た形だったって感じ?」
「そうみたい。ネットで調べると写真が出てくるはず。英語でもspikeのほかにdog spikeって言い方をするって。」
「その直訳なんだ。」
「鉄道では『スパイキ』とか『ドッグスパイキ』とも言うらしいけどね。」
「これまた独特な言い方だね。」
「その犬くぎって最近は使われなくなってるんでしょうね。」
「木まくらぎに使うものだからね。」
「コンクリートまくらぎの場合はボルトとか、あとバネみたいので留めてるのもあるよね。」
「バネ式のレール締結装置はパンドロール型ともいわれてる。」
「パンドロ~ル?なんか、おフランスな雰囲気の言葉だね。」
「ぴんぽん。フランスの会社が開発した方式だって。もっとも、製品名は開発者の名前が由来らしいんだけどね。」
「そのバネ式って知恵の輪みたいな感じの部品で留めてるよね。」
「専用の工具が必要だけど、それを使ってパッチンって留めるクリップらしいよ。」
「clipなのか。たしかに留め金って言われると、そのとおりだね。」
「今から四半世紀ぐらい前のことになるのかな、JRが国際調達を開始した頃に導入を始めたらしいよ。」
「犬の頭の形をした犬くぎ、それをハンマーで打ち込むのって、どんな気分だったんだろう。」
「いやいや、そんなこといちいち考えてないでしょ。」
「動物愛護とか、そんなことが出てくる前の事だったからかな。」
「それ、犬だと思って打ってる前提です?」




