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鉄道は鉄の道  作者: 宇美八潮
第二部「2年生編」
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377/388

377.犬くぎ(1)

「次の『い』は『犬くぎ』でお願いします。でも、どこが犬なの?」

「現在使われるものの格好だとそれっぽくはないけどさ、昔は釘の頭が犬の頭みたいな形のものがあったらしいよ。」

「たまたま似た形だったって感じ?」

「そうみたい。ネットで調べると写真が出てくるはず。英語でもspike(スパイク)のほかにdog(ドッグ) (・)spike(スパイク)って言い方をするって。」

「その直訳なんだ。」

「鉄道では『スパイキ(・)』とか『ドッグスパイキ(・)』とも言うらしいけどね。」

「これまた独特な言い方だね。」


「その犬くぎって最近は使われなくなってるんでしょうね。」

「木まくらぎに使うものだからね。」

「コンクリートまくらぎの場合はボルトとか、あとバネみたいので留めてるのもあるよね。」

「バネ式のレール締結装置はパンドロール型ともいわれてる。」

「パンドロ~ル?なんか、おフランスな雰囲気の言葉だね。」

「ぴんぽん。フランスの会社が開発した方式だって。もっとも、製品名は開発者の名前が由来らしいんだけどね。」


「そのバネ式って知恵の輪みたいな感じの部品で留めてるよね。」

「専用の工具が必要だけど、それを使ってパッチンって留めるクリップらしいよ。」

「clip(クリップ)なのか。たしかに留め金(とめがね)って言われると、そのとおりだね。」

「今から四半世紀ぐらい前のことになるのかな、JRが国際調達を開始した頃に導入を始めたらしいよ。」

「犬の頭の形をした犬くぎ、それをハンマーで打ち込むのって、どんな気分だったんだろう。」

「いやいや、そんなこといちいち考えてないでしょ。」

「動物愛護とか、そんなことが出てくる前の事だったからかな。」

「それ、犬だと思って打ってる前提です?」

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