359.架線(7)
「架線って、さっき話した横に2本並んでるのとか、あとは縦に2本並んでるみたいな感じのも見たことがある。」
「カテナリちょう架は『シンプルカテナリ』と『コンパウンドカテナリ』に大別されるんだけど、横に2本並んでるのはシンプルカテナリを2組設置する『ツインシンプルカテナリ』だね。」
「じゃあ、縦のは?」
「コンパウンドカテナリの方。縦に2本並んで見えたのは、ちょう架線とトロリ線の間に『補助ちょう架線』ってのが加えられてるから。全部で3本の線で構成されてる。」
「へえ、そうなんだ。」
「いまのふたつは高速での走行や高頻度運転に対応できるから、そういった線区で見られる。」
「最高速度とかで架線の方式も対応が必要なんだ。」
「架線の方式は他にもあるけれど、代表的なのは紹介したから、このくらいにしておくね。」
「ああ、良かった。」
「と思わせておいて、最後にもうひとつ。近年増えてきた『き電ちょう架』について。」
「げっ。」
「従来はビームの上とかに設置してたき電線をちょう架線に添わせることで、線路方向のケーブル類をビーム下にまとめて保守性を高めてる。」
「ビームの上を通す線が無くなって、全部下側から作業ができるってこと?」
「ビームって電柱の間に渡してある梁みたいなものですよね。」
「そう。これはシンプルカテナリのうち、ダブルメッセンジャ式っていうのと似た形になる。」
「メッセンジャー、ちょう架線が2本っていうことですか。」
「JR東日本は『インテグレート架線』って呼んでる。」
「integrateは、まとめるって意味でしたね。」
「最近は1本の『き電ちょう架線』で吊るす『SMARTインテグレート架線』っていうのも実用化されてるよ。」
「へえ。」
「ちなみに、き電線にちょう架線を兼ねさせるき電ちょう架って、もともとは空間に余裕がないトンネル内で設備をコンパクト化するのが目的だったらしい。」
「線路と信号に加えて、今度は架線も軽くトラウマ。今度からどこ見て電車に乗ろう。」
「素直に景色を眺めたらどうですか?」
「でも目が行っちゃうんだよ。」
「なら仕方ないんじゃないでしょうか。」




