358.架線(6)
「ちょっと気になったんですけど。」
「どのあたり?」
「『カテナリ』って何でしょうか。」
「ちょう架線ってのは、電柱の場所の間に吊るす格好になってるじゃない。」
「はい。両側から垂れ下がってカーブになってますね。」
「ああいった、ロープなんかの両端を持って下に垂らした形がcatenaryなんだって。日本語では『懸垂曲線』とか『懸垂線』っていう。」
「parabola、『放物線』の逆な感じですか。」
「そうだね。」
「ついでに恐いもの見たさでなんですけど、他の架線についても簡単に紹介してもらって良いですか?」
「じゃ、ざっくりと。架線のちょう架方式は『直接ちょう架』、『カテナリちょう架』、『剛体ちょう架』の三種類に大別される。」
「カテナリちょう架は、さっきから話してる良く見るやつだよね。」
「そう。」
「剛体ちょう架は地下鉄なんかでトンネルの天井に取り付けられてるやつ?」
「それ。地下鉄が架空電車線を使ってる地上の鉄道との相互直通運転を開始するときに、トンネルの高さを増やさずに架線を張れるように開発したらしいよ。」
「へえ、そうなんですか。」
「『剛体架線』って言い方の方が普通かも。ほかに『剛体電車線』っていう言い方もあるらしい。」
「あとは、直接ちょう架だっけ。」
「ちょう架線を使わないで、直接トロリ線を吊るす方式。速度は出せないけれど、簡易な構造だからローカル私鉄や路面電車で使われてる。」
「直接ちょう架っていうのは、どこか見れるところってあります?」
「先日乗った荒川線とかどう?」
「あそこはほとんどカテナリちょう架。ただ、飛鳥山公園付近の併用軌道区間は直接ちょう架のままだと思う。」
「あ、そうだったんだ。」
「あとは、この辺だと銚子電鉄あたりかな?」




