355.架線(3)
「トロリ線ってトロリーバスと関係ある名前なのかな。」
「前に英和辞典でtrolleyって言葉を調べたことがある。そこには意味がみっつ書いてあって、最初が『2輪の手押し車』だった。」
「それは違いますね。」
「次が電車のポールの先の『触輪』ってなってた。」
「これがそれっぽいけど、ショクリンってどんな字?木を植えるわけじゃないよね。」
「んなわけないでしょ。接触の『触』に『輪』っかって字。『集電輪』って言葉も見たことがある。で、これに接する電線だから『トロリ線』なんだろう、ってとある本に書かれてた。」
「いろんな本読んでますね。」
「例の伯父さん図書館でしょ。」
「ちなみに、辞典に載ってた最後の意味は『トロリーバスのこと』だった。」
「トロリ線は架線の一番下の線ってことですけど、他の線にも名前があるんですよね?」
「一般的な『シンプルカテナリ式』ってので説明するね。」
「名前からしてシンプルだ。」
「これは上に『ちょう架線』が張ってあって、5mおきくらいに設置した『ハンガイヤー』で『トロリ線』を吊り下げてる。」
「スーパーな感じの超架線じゃないよね?」
「漢字だと吊るすの字を書いて『吊架線』。でも普通『ちょう』の字はひらがなで書いてる。『メッセンジャー』ともいうよ。」
「メッセンジャー?何か伝えたりするの?」
「電気工事関係ではよく使われる言葉らしくて、正しくは『メッセンジャーワイヤー』っていうんだって。」
「由来の想像がつかない。」
「僕も知らない。ケーブルに強度が無い時とか、まっすぐ張りたいときとか、その支えになるように張って強度を負担させるワイヤーのことらしいよ。」
「吊り橋のメインケーブルみたいな感じでしょうか。」
「ああ、そんな感じだと思う。」
「メッセンジャーは、『メッセン』ともいうんだって。」
「なんか半端な略し方ですね。」
「『滅っせん!』って感じに聞こえる。」
「『線』と掛けてるんじゃないでしょうか。」




