347.縦曲線(1)
「さっき言ってた『縦曲線』の半径3000mって大きいの?小さいの?」
「普通。旧法の普通鉄道構造規則だと…、『本線で勾配が10‰以上変化する箇所は半径3000m以上の縦曲線を挿入すること』ってなってる。」
「何か感覚的にどのくらいかが分からない。」
「そうだなぁ。『平面曲線』の場合だけど、東海道新幹線の最小曲線半径は都市部を除いて原則2500m以上ってなってるから、それより少し大きいぐらい。」
「ますますわからなくなりました。」
「えっと、それじゃあこういうのはどうだろう。中央線快速電車で東京に到着するところの勾配が、たしか34‰だったでしょ。」
「あそこって相当な急坂だよね。」
「そこの縦曲線半径が3000mだった場合、縦曲線の区間がどのくらいの延長になるかを計算してみようと思うんだ。」
「あ、なるほど。」
「で、計算式なんだけど、えっと、どうするんだったっけかな。昔聞いたんだけど…。」
「昔って何十年前の話?」
「そんな何十年なんて生まれる前だって。」
「何の漫才してるんですか?」
「う~んと、たしかものすごく簡単な計算で…、『勾配差×半径』だったかな。でもって勾配差は千分率だから1000で割る。」
「そんな簡単なんですか?」
「これも近似式だけどね。式が間違ってなければ、この場合は『34÷1000×3000』で…、答えは102m。」
「結構長い距離が必要なんですね。」
「勾配の変化量が大きいからね。このくらいの長さをかけないといけない。」
「電車に乗ってても、勾配が変わるところって意識したことなかった。」
「縦曲線が良い仕事してるってことだよ。そうじゃないと、上にガクンとか、下にガタンとか感じると思うよ。」
「つまりジェットコースターだ。」
「縦曲線半径が速度に対して小さすぎると乗り心地に影響するけれど、あえて小さめにしてるのがジェットコースターだね。」




