345.ロングレール(4)
「ロングレールってどのくらいの長さがあるの?」
「日本では200m以上のものをロングレールって言ってるそうだよ。」
「あれ?意外と短いんですね。」
「そのくらいから軸力の蓄積される『不動区間』が発生するから、そういう意味では妥当な長さなんだと思うよ。」
「なるほどね。」
「それじゃあ一番長いロングレールはどのくらいになるんですか?」
「えっとね、先日乗った東北新幹線の八戸から盛岡のあたりにあったんじゃなかったかな。」
「へえ、そうなんですか?」
「あ、そうみたい。いわて沼宮内駅から八戸駅の間に、60.4kmのロングレールがあるんだって。」
「長いよね。東京駅から高尾駅までよりも長い距離だ。僕たちずっと寝ちゃってたけど。」
「寝ちゃってましたね。それにしても、その長さが全部つながってるなんて、びっくりしますね。」
「あれ?そういえばさ、信号ってレールを使う仕組みになってたよね。」
「うん、たいていは。『軌道回路』っていうんだけど、レールに信号用の電流を流して、列車の在線検知や制御情報の送信を行ってる。」
「軌道回路っての?その信号の区間の切れ目ってどうしてるの?」
「ロングレールじゃないものも含めて『絶縁継目』っていう、レールとレールの間、レールと継目板の間、レールと継目板ボルトの間に絶縁材を挿入した構造になってる。」
「あ、そっか。溶接してなくても鉄だから電気通しちゃうんだ。」
「ロングレールの場合には大きな軸力が加わるから、レールとその間の絶縁材を強力な接着剤で一体化した『接着絶縁継目』っていうのを使ってる。」
「その部分は溶接されたレールと同じに扱うんですか。」
「うん。ちなみに絶縁された継目って意味の『insulated joint』を略して『IJ』って呼ばれてる。」
「先日の熊本の地震では九州新幹線のレールが破断してたけど、あれ、見た感じでは接着絶縁継目の部分だった。」
「相当な引っ張る力がかかったってことだよね。」
「うん。そして継目板ボルトが引き千切られたんだと思うよ。」
「断層の動いた真上だったそうですしね。」
「こうした絶縁継目が不要な『無絶縁軌道回路』っていうのも一部では導入されてるって。」




