344.ロングレール(3)
「ロングレール敷設の条件って、まだまだ他にもあるの?」
「線路の勾配が変わるところには、縦の曲線と書いて『縦曲線』っていうのがあるのは知ってる?」
「知らなかった。」
「極端な例だとジェットコースターの縦のカーブ。あんなのが付けられてるんだ。」
「ああ、そういう感じの。たしかにカクッって勾配を変えるわけにはいかないね。」
「僕が見た資料だと、ロングレール区間の縦曲線は半径3000m以上が必要って書いてあったよ。」
「上に凸のカーブで半径が小さすぎると、レールが浮き上がっちゃうかもなのかな?」
「途中に長いトンネルが無いこと、なんてのもあったはず。」
「トンネルの中は伸び縮みしないから良いんじゃないですか?」
「トンネル外の区間と伸縮の差があると、軸力の不均衡が起きちゃうから良くないんだ。」
「ああ、そういうことなんですか。」
「長いトンネルの間に、ちょっとだけ外に出るようなところは?」
「そういうのは長さによるんじゃないですか?」
「あとは敷設する時のレールの温度管理も重要。」
「わかる気がします。冷えて縮んでるレールを敷設すると、暑くなって伸びたときに余計な力がかかるんですね。あとその逆も。」
「そう。なので、想定される高温と低温の中間ぐらいのレール温度で敷設するのが望ましい。」
「けっこう条件がタイトじゃない?」
「なので、レール加熱器で均等に温めてから敷設するなんてことも行う。」
「北海道は冷涼な気候だから、以前は敷設温度が低く設定されてたんだ。」
「北海道でも本州なみの暑さの日とかあるよね。」
「現在は設定温度の見直しや軌道強化で温度の高い日にもある程度対応できるようになったけど、一時期は『散水車』で水を撒いてレールの温度を冷やしてたこともあるって。」
「打ち水みたいです。」




