343.ロングレール(2)
「ロングレール敷設の条件ってどんなものがあるの?」
「ロングレールは最初、年間を通じて温度変化の少ないトンネル内で使用され始めたそうなんだ。」
「その方が伸び縮みをしにくいからだね。」
「やがて温度変化で伸縮するのは両端だけっていう特性がわかってきて、それに応じた条件のもとでトンネル以外の所でも採用されるようになった。」
「そういう経緯で広まったんだ。」
「ロングレールの伸縮しない中間部分は『不動区間』って呼ばれるんだけど、ここは動かないっていうだけで、温度変化の影響は『軸力』として蓄積されてる。」
「バネをぎゅっと押し縮めた様子を想像したけど。」
「うん。それに近い。寒くて縮もうとしてるときは、ぐっと伸ばされた状態かな。」
「横からちょっと押したらバランスが崩れて弾けたりしそうなイメージがあります。」
「まさにそのとおり。だから、そういうことが起きにくいように条件が設定されてる。」
「がっしりした構造じゃないとダメっぽい気がする。」
「まず使用するレールは新品かそれに近いもので、最低でも37kgレール以上、トンネル外では50kgレール以上が望ましい。」
「それってレール1mあたりの重さだっけ。」
「そう。それから曲線半径は資料によって違うけど、600mとか1000m以上ってなってる。条件を良くしても300mあたりが限界らしい。」
「結構幅があるんだね。」
「たぶん線路の構造にもよるんだと思う。軸力に対抗するのが主に『道床抵抗力』なんだけど、その強さで変わってくるんじゃないかな。」
「バラストよりスラブ軌道の方が小さな半径に耐えられるとか、そんな感じ?」
「そんな感じ。」
「今聞いただけでも、ローカル線のロングレール化って難しそうだね。」
「カーブの大きさとか、レールや道床とか、新しく線路を敷きなおすぐらいの作業になりそうです。」




