335.旅行記(6-10)
「今どこ?止まってるの?」
「あ、ナオさんも起きました?」
「盛岡駅に停まってる。時刻どおりに運転してるみたいだよ。」
「この停車したときに目が覚めるのって不思議ですよね。」
「盛岡なら『こまち』を連結してる?」
「連結はなくて時間調整だけみたい。」
「あ、ねえねえ、これ見てよ。運行情報見たら、東北地方の太平洋側は運転見合わせばっかり。」
「ほんとだ。路線図が真っ赤ですね。」
「五能線はどうなってる?」
「とりあえず運転してるみたいだよ。」
「なら、ボクサーズやカフシさんは無事に秋田へ行けそうだ。」
「それにしても、こういうのを見ると新幹線ってすごいなって思いますね。」
「そうだね。朝の事故で何本かは運休しちゃったし遅れも出てるけど、在来線は大雨で止まってるのに平然と走ってるもんね。」
「山陽新幹線以降は、ほとんどトンネルと高架で、雨での災害は起きにくいから。」
「皆無とは言わないんだね。」
「のり面の防護はしてあっても、切取や盛土なんかの土木構造物はあるし、ほら、長野では大雨で車両基地が水没する災害もあったじゃない。」
「そうでした。」
「新幹線の場合、むしろ強風で運転を見合わせることのが多いかも。」
「たしかにそうかもだね。」
「この先の一ノ関駅の北側で北上川を渡る付近とか、福島駅と白石蔵王駅の間とか、風が通り抜けるところは弱点だよ。」
「シキさんの乗った『はやぶさ』も新青森を発車したでしょうか。」
「たしか15時17分発だったから、ちょうどこの列車の盛岡発と同じ時刻だったね。」
「そうすると新青森から盛岡まで1時間くらいってことか。」
「もっと近いような気がしてましたけど、意外と離れてたんですね。」
「三人とも、ぐっすり寝ちゃうくらいの時間は走ったってことだものね。」




