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鉄道は鉄の道  作者: 宇美八潮
第二部「2年生編」
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334/371

334.旅行記(6-9)

「シキの乗る『はやぶさ』も運休にならなくて良かったね。」

「この列車の発車する前に到着してたのが折り返すみたいだね。」

「シキさんって物静かな印象があったんですけど、小田急を語りはじめたら熱量が急上昇してびっくりしました。」

「カフシさんとの『小田急師弟』で普段どんな会話を繰り広げてるのか、怖いもの見たさな気分になったね。」

「話を聞いてるうちに、こんど小田急に乗りに行かなくちゃな気分になってきちゃいましたよ。」

「さっそくシキの思うつぼじゃない。すっかり布教されちゃってる。」


「あ、これ。今入ったの『八甲田トンネル』かな?日本一長い陸上トンネルなんだよ。」

「陸上(・・)ってことは、海底(・・)の『青函トンネル』のが長いってことなのかな?」

「うん、そう。青函トンネルは53.9㎞(キロ)、もう少し細かく言うと53k(キロ)850m《メートル》。」

「よくおぼえてるよね。」

「あれ?もうトンネル出ちゃいましたよ?」

「なら、次だったかもしれない。」

「締まらないね。」


「それで、八甲田トンネルの長さはどのくらいなんですか?」

「26㎞(キロ)ちょいだったはず。」

「あれ?途端に雑な数になった。」

「東京駅から武蔵境駅までの営業キロよりちょっと長いって記憶してたから。」

「そうなんだ。青函トンネルの方はなんで細かく言えたの?」

「開業したころ『ゾーン539(ゴーサンキュー)』っていう愛称になるのかな?そういうのがつけられてたってのを聞いてた。」

「ふーん、それでなんだ。」


「ボクたちと同じ電車で来て新幹線に乗った人たちは、今頃どのあたりまで行ったんでしょう。」

「たしか東京の到着予定は俺たちがこの『はやぶさ』に乗った頃だったと思うよ。」

「なら、もう着いてるんですか。」

「えっと、途中で遅れてなければね。」

「もう着いたみたいだよ。あと、東京で僕らが乗るような路線も平常運転に戻ったみたい。」

「今度のトンネルは外に出る気配ないですね。」

「どうやらこっちが八甲田トンネルみたい。盛岡まではトンネルばかりなんだよなぁ。」

「もう帰るだけだし、まったり気分だよね。」

「お昼ごはん、またたっぷり食べちゃったんで、眠くなってきちゃいました。」

「俺も。」

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