315.軌道変位(17)
「平面性を水準から求めてるってことは、プラスとマイナスの考え方もいろいろとあるってこと?」
「僕が見た資料はふたつあるんだけど、ひとつは現場では『後方の水準から前方の水準を引く』って計算。」
「現場の考え方だと水準は左基準でしたね。」
「そう。わかりやすいように後方は水平とすると、後方の水準は0.0。右のねじれで考えてみると、左基準では前方は右が下がってるからマイナスで、前方の水準は例えば-5.0。」
「えっと、後方から前方を引くと、答えは+5.0かな?」
・ 後方 - 前方 = 0.0 - (-5.0) = 0.0 + 5.0 = 5.0
「この計算のとおりだと、左ねじれがマイナス、右ねじれがプラスってことになる。」
「そうなりますね。」
「もうひとつはマヤ車の場合で、『前方の水準から後方の水準を引く』って計算。」
「真逆ですね。」
「真逆なんだよ。だけどさ、マヤ車の考え方だと水準は右基準になるじゃない。」
「あ、そうだね。そうするとどうなるんだろう?」
「さっきと同じ右のねじれで考えてみると、後方は水平として水準は0.0、前方は右基準だと左が上がってるからプラスで、水準は例えば+5.0。」
「えっと、今度は前方から後方を引くと…、あれ?今度も答えは+5.0になる。」
・ 前方 - 後方 = 5.0 - 0.0 = 5.0
「そんな感じで、まるっとひっくり返るから、どっちの基準でも、左ねじれがマイナス、右ねじれがプラスになるみたいなんだ。」
「なんだか化かされた気分になる。」
「こんな計算式、どこで見つけてくるんですか?」
「ひとつめの計算は、運輸安全委員会の調査報告書。」
「そんなことも書いてあるんだ。」
「ふたつめの方は、さっき話したマヤチャートの教科書。」
「なるほどです。」
「メモ見ながらじゃないと説明できないけどね。」




