314.軌道変位(16)
「最後は『平面性』だね。」
「まず横から見た電車を思い浮かべてくれるかな?」
「快速電車で良い?」
「特急でも新幹線でも何でも良いよ。それって車体の下には前後に台車があるよね。」
「うん。」
「それぞれの台車は横からだと車輪が2つ見える。」
「反対側にもあるから全部で4つの車輪があるんだよね。」
「そう。台車はその4つの車輪で支えられている。」
「あ、わかってきました。」
「え、すごいね。」
「ほら、4本脚の椅子や机って、床が平らじゃないとガタつくじゃないですか。」
「あ、そっか、台車の4つの車輪にも同じことがいえるんだね。」
「平面性っていう名前ですし、レールの上が平らになってるかを判断するってことじゃないんですか?」
「そのとおり。台車がガタつく状態では脱線の危険が大きくなる。それを判断する大事な情報だよ。」
「でもレールの上が平らってどうすれば確認できるんだろう。」
「車輪と接する4か所でレール頭頂面の関係性を見れば良い。具体的には前後2か所の間の水準差を平面性って呼んでる。」
「水準の差っていうことは、文字どおりに考えると…。」
「水準は左右のレールの高さの差ですよね。それを前後で比較すると、計4か所を比較したってことになるんでしょうか。」
「そう。前後双方の水準が同じ値ならば、レールと接する前後左右の計4箇所は、全体的な傾斜はあるだろうけれど同一平面上にあるって判断できる。」
「そうなんですね。」
「平面性は起点を背にして後方の水準から前方の水準がどう変化してるかを調べる。左が下がってゆく状態ならば左にねじれてる、右が下がってゆく状態ならば右にねじれてるって表現するらしい。」
「平面性ってのはねじれのチェックなんだ。」
「床が平らでも、脚の長さが不揃いな椅子はガタつくよね。」
「それと似たような状況については車両側の『輪重比』っていうのが重要視されてる。」
「あ、輪重は前に聞いたっけね。車輪からレールにかかる下方向の力だっけ。」
「そう。その輪重の左右のバランスが崩れていて重大な脱線事故が起きたことがある。」




