313.軌道変位(15)
「水準は現場では左基準だけど曲線の箇所では内軌基準。マヤ車では右基準だけど、それが実際のレールで左右のどちら側かはマヤ車の向きで決まる。ってことで良いのかな?」
「ぱちぱち。よくできました。」
「素直に褒められると裏がありそうで怖い。」
「良くわかったね。」
「え?まだ何かあるんですか?」
「さっき僕は『在来線の軌道検測車では』って言ったよね。」
「ということは、新幹線では独自ルールが…?」
「新幹線も現地は左基準で曲線だけ内軌基準、電気軌道総合試験車では右基準ってのは変わらないみたい。」
「あれ?そうなんだ。じゃあ、何が違うんだろう。」
「実現はしなかったけれど、東北・上越新幹線は東海道新幹線と直通する計画が当初からあった。」
「そうらしいね。」
「その名残で、東北・上越新幹線は東海道新幹線と車両の向きを合わせてあるんだよ。」
「あ、試験車もってことですか?」
「そしたら、どうなるんだろう?水準の右基準っていうのは東海道新幹線だと右レールのことになるけれど、東北・上越新幹線だと同じ側のレールは左レールってことになるのかな?」
「どうやらそういうことみたい。」
「じゃあ、現場での基準と一致するんだ。」
「多分ね。」
「多分なんだ。」
「でもって、軌道検測車も試験車も、当時の車両は既に走ってないけれど、途中で変えると現場が混乱するだろうから、現在も同じ考え方なんじゃないかと思ってる。」
「水準ってね、資料を見ても左右どちらのレールを基準にするかを明確に書いたものが少ないんだ。」
「たしかに右基準になったり左基準になったりするのを説明すると煩雑になりそうですね。」
「なので、実は僕のこの説明も、本当に合ってるのか自信が無かったりする。」
「まあ、ボクたちは本職さんじゃないんですし、水準は左右の高さの差で、基準側は場合により変わる、ってのだけ承知できてれば十分なんじゃないですか?」




