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鉄道は鉄の道  作者: 宇美八潮
第二部「2年生編」
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305/371

305.軌道変位(11)

「線路を直す量を求める方法って、たぶん難しいんだよね。」

「伯父さんから教えてもらったのは『糸張式曲線整正』っていうのなんだけど、教科書にはいかにも『数学』って感じの式が並んでた。」

「あ、やっぱり。気にはなるけど俺はもうキャパオーバーだから教えてくれないでいいや。」

「ボクはちょっと興味ありますね。」

「ざっくり説明しておくと、弦長の半分の間隔で連続的に測定した正矢を使って、移動する量とその時に残留する正矢を計算する方法。」

「まさに今聞いた測り方の情報を使うんですね。」

「計算自体は機械的にできるし、実際に『曲線整正計算器』っていう器具が昔から使われてたって。」

「今なら計算ソフトがありそうですね。」

「うん。あるらしい。ただ、口頭で説明するのはちょっと難しいんで、ナオの希望もあるし今回は割愛させてください。」

「そうして~。」


「計算方法は置いとくとして、通常は、線路を移動する量をなるべく少なくして、かつ歪みも小さくできるように直すってのが基本になる。」

「相反(あいはん)することな気がするんですけど。」

「だけど、作業量や仕上がり状態に直結するから、こうした方法でシミュレーションしながら、最適な移動量を見つけるらしい。」


「ともあれ、高低と通りの話はこれで終了?」

「ひととおりはね。」

「結局計算問題は何だったの?」

「測定した正矢の性質を紹介できそうかなと思って。」

「う~ん。いたずらに混乱を招いただけに思えるんだけど。」

「ボクは面白かったですよ。」

「そう?線路の話ってよりも、すっかり数学の話になっちゃってたよね。」

「そうだったね。そのうえで、せっかく説明したから、最後にその計算方法について一応まとめておこうと思うんだ。」

「これで最後?本当に最後?」

「うん。『数学!』って感じの話はひとまず次回でケリをつけるつもり。」

「次回ってなに?ずっと前にも言ってたよね。」

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