296.軌道変位(2)
「上下方向の歪みが『高低』ってのはわかるんだけどさ、左右方向は何で『通り』っていうんだろう。」
「じゃあ、何か良さげな言葉って思いつく?」
「えっと、まんま『左右』じゃ芸がないし、『凹凸』だと上下方向な感じだね。『うねうね』なんてわけにもいかないし。」
「何ですか?そのうねうねって。」
「ごめんなさい。早くもネタ切れで、適当に思い浮かんだ言葉を言いました。」
「まあ、ボクも良さそうな言葉は出てこなかったんですけど。」
「『通り』ってのはね、建築とか土木でも使われてる言葉らしいよ。」
「そうなんだ。」
「並んだ柱を見通して、まっすぐに結ぶ基準の線のこととか、その状態を確認することとかに使うみたい。」
「わかったような、わかんないような。」
「『通りの具合はどうだ』とか、そんな感じで使うみたい。」
「へえ。」
「で、その『高低』と『通り』を説明する前に、レールの左右別も話しておかないとなんだ。」
「そっか。線路はレールを2本使ってるから当然左右があるんだね。」
「基本的に、その線区の起点を背にして見た時の、左側を左レール、右側を右レールにしてる。」
「ならば、中央線の武蔵小金井付近は南側が左レールで北側が右レールってことで合ってる?」
「そうなる。レールの左右別は高速軌道検測車がからむと少し面倒になるけど、その話は後でね。」
「さっきのうねうねってのが気になります。どこから出てきたんですか?」
「ウナギが泳いでるな感じ。」
「ウナギはニュルニュルでしょ。」
「え?ヘビと一緒でニョロニョロじゃないですか?」
「何か話が激しく脱線してる。」
「うねうねしてるからだよ。」




