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鉄道は鉄の道  作者: 宇美八潮
第二部「2年生編」
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280/390

280.検測車(7)

「今さらなんですけど、この検測車とか試験車って、どんなことを調べてるんですか?」

「『新幹線電気軌道総合試験車』っていう名前のとおり、新幹線の電気と軌道の状態を調べてる。」

「それ、まんま言ってるだけだよね。」


「まず『電気』の関係では、トロリ線の状態とか電力の供給状況なんかが対象。」

「トロリ線って何ですか?」

「架線(がせん)、架空電車線の略称だけど、そのうちのパンタグラフと直接接触して電気を供給する部分がトロリ線。」

「トモ、また架線(かせん)のこと『が(・)せん』の方で言ってるよ。」

「そうだった?」

「そうだった。で、トロリ線はその一番下の線のことだよね。」

「うん。そのトロリ線の高さや左右の位置、それと摩耗の状態を調べてる。」

「摩耗っていうと、少し前に架線が切れる事故が続いたけど、そういうのの予防ですか?」

「そう。他にも、信号の受信状態、列車無線の送受信状態なんかも対象。」

「へえ。そういうのも調べてるんですか。」


「次に『軌道』の関係では、レールの歪みに加えて、車両の動揺、騒音なんかも対象にしてる。」

「このあたりはトモの得意分野なんじゃない?」

「なので説明は夏休み集中講座(サマーセッション)にとっておくね。」

「うへぇ。」

「今度導入される車両では、他にも新しい検査項目の追加が発表されてる。」

「さっきも言ってたね。ボルトなんて、あんな小さなものを良く点検できると思った。」

「しかも時速320㎞(キロ)ってことは、3.6で割ると…、秒速88.9m(メートル)で走ってるんだよ。」

「ボルトの頭なんて、たぶん2㎝(センチ)くらいだよね。通り過ぎる時間なんてマイクロ秒単位なんじゃないの?」

「計算してみる?」

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