274.検測車(1)
「少し前に『ドクターイエロー引退』ってニュースがあったでしょ。」
「うん。来年の1月までってことだった。」
「新しいのは導入しないで、お客さんの乗ってる営業列車での測定になるんだって?」
「秋以降に投入するN700Sに検測装置を搭載するって。『ドクターS』って呼ぶって書いてあったね。」
「ドクターイエローって、いろんな装置を積んでるんですよね。それって普通の新幹線にも積めるんですか?」
「測定に使う機器もデータを処理する装置も小型化が進んでるし、もう既に積んで走ってる車両も結構あるんだよ。」
「そうなんですか?」
「新幹線だと、九州新幹線と西九州新幹線はドクターイエローが入れないから全面的に営業列車を使ってる。」
「あれ?西九州新幹線はレールがつながってないけれど、九州新幹線もだっけ?」
「ほら最初はつながってなかったじゃない。」
「あ、新八代から鹿児島中央の間が先に開業したんだっけね。」
「それに信号方式が違うから、博多まで延伸した今でも乗り入れ対応の車両じゃないと走れない。」
「へえ。」
「在来線でも線路とか架線のモニタリング装置なんかを搭載した車両は結構あるよ。中央線で秋から運転を開始する電車も積んでるはず。」
「それって松本あたりも走る電車ですね。」
「こないだの新歓合宿で木更津から乗ったのと同じ形式だったよね。」
「もちろん、東海道・山陽新幹線内でも検測装置を積んだ車両が既に走ってる。」
「でも、それとは別に作るんだよね?」
「うん。今までのは技術開発を兼ねて予備的に使ってたみたい。」
「それが、ドクターイエローの代わりになることが確認できたから本格的に導入することにしたんだ。」
「これまでの検測全てに加えて、これまで徒歩巡回で行っていた検査の一部も置き換えるらしいよ。」
「ドクターイエローって、おふたりは見たことあります?」
「先輩に連れられて見に行ったことがあるよ。」
「一度実物を見てみたいですけど、走る日時って公表されてないんですよね。」
「ナベさんに聞いてみよう。ドクターイエローの走る日とかわかるそうだから。」
「実は関係者さんなんですか?」
「そういうのじゃないって言ってるよ。でもどうやって予想してるのかは謎。」




