257.雨量規制(1)
「電車が雨に弱いってことだったけど、実はトモも雨に弱かった?」
「うん。弱い弱い。カビ生えちゃいそうなくらい湿気に弱い。」
「根に持ってる?」
「そこそこね。」
「雨っていえば中央線の高尾から先とか、大雨で運転を見合わせることが多いですよね。」
「高尾からは山間部に入るからね。青梅線の青梅から先なんかもそうだよ。」
「山間部だと土砂災害なんかが起きやすいってことでしょうか。」
「平地に比べれば格段に。山あり谷ありに加えて、山側を削った『切取』や、低地を埋める『盛土』に『築堤』。そうしたウィークポイントになる土木構造物が多い。」
「防災工事ってのはしてるでしょ。」
「『斜面』や『のり面』をコンクリートとか格子枠とかで保護したりね。それでも一度に大量の雨が降ったり、長雨で大量の水が土壌に浸み込んだり。そういうので災害のリスクが跳ね上がる。」
「最近は雨の降り方も激しくなったって言われてますものね。」
「泥濘に足踏み込んじゃうとグシャってなるけど、線路も同じように濡れてると崩れやすくなったりするの?」
「さっきの土木構造物なんかの部分、『路盤』やその周辺がね。見た目には大丈夫そうでも、車両の重量が加わったら耐えられない可能性がある。」
「水を含んでグズグズになってるようなところを列車で通りたくはないですね。」
「雨がやんでもなかなか運転を再開しないときって、点検に時間がかかってるなって思ってたけど、水が抜けるのを待ってたのかな。」
「もちろん線路の点検もしてるけど、土中の水が抜けるのとか、あと川の水が引くのを待ってたりもありそうだね。」
「そういえば、川の上流で大雨が降った時って、下流で水が増えるまでに時差があるんでしたよね。」
「『斜面』と『のり面』ってどう違うの?」
「斜面のうちで、切取や盛土を造るときにできたものを『のり面』っていうらしいよ。」
「のり面の『のり』って、漢字だと法律の『法』の字を使うんだっけ。」
「うん。」
「何でこの字を使うんだろう?」
「どうしてだろうね。」




