239.リニア(4)
「モーターの簡単な仕組みの話はわかったけど、もちろん別の方法もあるんだよね?」
「電磁石を回転子側じゃなくて固定子側へ置くようにして、回転子側には永久磁石を使うように変更したのがある。」
「内側と外側を入れ替えたってことですね。」
「回転子側に電気を送らずに済むからブラシと整流子が不要になるんだ。」
「『ブラシレス』って聞いたことがあるけどそれのこと?」
「そう。ブラシと整流子の接触による摩擦や摩耗、あと騒音が発生しないっていう利点がある。」
「ってことは欠点も?」
「うん。固定子側の電磁石を制御するために、回転子の回ってる状態を把握しなくちゃいけない。」
「それって難しそうだ。」
「そのあたりはいくつか方法があるらしいけど、制御技術の進展で実用化されたんだって。回転子の位置に固定子の制御を同期させることが必要だから『同期型』っていう。」
「わかりやすいネーミングでありがとう。」
「あと、電流を流して磁場が発生すると力が生じるってのを習ったよね。」
「あー、フレミングなやつ?」
「それを使ったのが『誘導型』。回転式のモーターの場合、構造は同期型にちょっと似てるかな。」
「そうなの?」
「回転子側に電磁石じゃなくて電気を通す導体ってのを使うのが違うところ。固定子の磁場を移動することで回転子の導体を誘導して回転運動を発生させる。」
「ローレンツ力っていうので合ってましたっけ。」
「たぶん。そして、リニアモーターカーでは、『同期型』と『誘導型』が使われているんだ。」
「整流子型は使われてないんですね。」
「先生~、これって試験に出ますか?」
「出ませ~ん。ってか、理解できたと思ってる限界のところで話してるから、そんな余裕はありません。僕の物理への理解不足を、なめてもらっちゃ困る。」
「胸張って言うことですか?」




