238.リニア(3)
「それで、リニアモーターってどういう仕組みなの?」
「その前に最初は一般的な回転式の電気モーターの説明をさせて。」
「そこから?」
「そこから。回転式のモーターは大きく分けて、回転軸を持つ『Rotor』と、その周囲を囲む『Stator』でできてる。」
「ローターって回るものって意味だっけ。ヘリコプターの回転翼なんかもローターって言うよね。」
「うん。」
「ステーターは何だろう。」
「日本語だとローターを『回転子』、ステーターを『固定子』って言うそうだよ。」
「固定っていうことは、とどまるとか居るとかのstayと同じ語源でしょうか。」
「そうかも。」
「それで、そのステーター、固定子って部分を、平らに伸ばしたのがリニアモーターってことで良い?」
「そう。回転子の方も回るんじゃなくて、固定子の上を水平に移動して行くようになる。」
「そういえばモーターって動力装置のことで、回転するって意味は無いって聞いたことがあります。」
「リニアは浮かないし、モーターも回らなくても良いし、思い込みって良くないね。」
「話を戻して、簡単な仕組みの直流モーターについて。回転子側の電磁石の磁極、S極とN極だね、これを電流の向きで切り替えて、固定子側の磁石との吸引力と反発力を回転運動に変えている。」
「中学校の理科の実験でやった。面白いくらいにクルクル回った。」
「固定子側のブラシが回転子側の整流子と接触することで、電磁石に電流を流す役目と、電流の向きを物理的に制御するスイッチの役目を担っている。」
「上手く考えられた仕組みですよね。」
「その仕組みから『整流子型』って呼ばれてる。」
「ステーターを調べたら、ラテン語の『stare』って言葉が語源って書いてある。『立つ』って意味だって。」
「立つがどうするととどまるに変わるんでしょう。」
「良く分かんないけどそういうことらしい。『sta』の部分を語根って言うそうだけど、いろんな言葉が派生してるって。」
「立つだと、英語のstandが思い浮かびます。」
「それもだって。あと『status』とか『stage』、それに『Station』もなんだって。」




