225.橋(2)
「同じ高架橋でも、東京駅付近は赤レンガの『アーチ橋』でしょ。」
「明治の終わりごろから大正にかけて建設されたあたりだね。」
「東京駅の丸の内駅舎が出来たのも同じころでしたよね。」
「そのころ多用されていた盛土だと断面が台形で用地幅が広くなるけれど、高架橋はそうじゃないから用地幅を広くしにくい市街地で建設するのに適してたんだね。」
「レンガは深谷の工場で作ってたんだっけ。」
「そう。一万円札な人たちが設立した『日本煉瓦製造』っていう会社。」
「紙幣に東京駅が書いてあるのって、そういう縁だったんですか。」
「深谷の駅舎も東京駅舎風に改装されてるんだよね。」
「有楽町のあたりの高架下は飲み屋とかレストランなんかに使われてるから、お店によっては天井のアーチやレンガも楽しめるみたいだよ。」
「秋葉原の近くの『mAAch ecute』ってところもそうでしたね。お酒飲めたら楽しそうなお店が入ってました。」
「そこの旧万世橋駅は昔の交通博物館があったところだね。」
「へえ。そうなんですか。」
「だけど他ではレンガの高架橋を見かけないのってどうして?」
「原因は関東大震災。」
「あれ?でも丸の内駅舎は震災を乗り越えた建物って有名じゃなかった?高架橋も残ってるよね。」
「それって他の建物は乗り越えられなかったから注目されたんだよ。」
「そっか。」
「市街地でレンガ造りの建物の多くが倒壊したんで、レンガの使用は全般に控えられるようになっちゃったらしい。」
「トンネルとか橋でレンガを使ってる所は、それより前に造られたってことかな。」
「多分そうじゃないかな。以降は主にコンクリートが使われるようになってる。」
「そういえばさ、アメリカのシカゴだっけ、高架鉄道で鉄橋が続いてる写真見たことあるんだけど、日本はああならなかったね。」
「そうだね。日本ではどこかあったかな。」
「夢の国の海の方にあるようなやつですか?」
「ああ。そうそう。あれって騒音が凄いんじゃないかな?って思うんだけどどうなんだろう。」




