220.営業キロ(1)
「前にも聞いたけど、新幹線の『営業キロ』って実際の線路の距離とは違うんだよね。」
「うん。その時にも話したけど、新幹線は基本的に在来線の線増の扱いだから、例えば東海道新幹線なら並行する東海道線の営業キロを使ってる。」
「『せんぞう』ってどういう意味ですか?」
「略さずに言うと『線路増設』で、複線化や複々線化なんかのこと。」
「新幹線って在来線のすぐ脇を走る所もあるけれど、ほとんどの区間はまるで違うところを走ってますよね。それでも、その線増ってことになるんですか?」
「うん。それでも。」
「駅が在来線とは離れてるところはどうするんでしょう。上越新幹線の本庄早稲田駅とか。」
「対応する駅を決めて、その駅の営業キロを使ってる。本庄早稲田駅なら高崎線の本庄駅、東海道新幹線の新富士駅なら東海道線の富士駅が使われている。」
「たしか同じ駅としても扱うんだったよね。」
「そう。東海道新幹線と東海道線の東京・小田原間は3月の運賃改定で別線区として扱うことになったから、その区間にある新横浜駅と横浜駅が別駅になったけど。でも営業キロは変更してないね。」
「運賃を決めるのに使うのはともかく、同じ駅として扱うのって意味はあるんですか?」
「たしかに新幹線と在来線で違う場所にある駅を同一として扱うメリットってわからないよね。」
「はい。」
「こんなふうに使えるよっていう例になるんだけどさ、東京から名古屋までのきっぷで東海道新幹線に乗って、新富士で途中下車するじゃない。」
「富士山が綺麗に見えるあたりの駅だね。」
「そう。そこで観光してから、今度は在来線の東海道線に富士から乗って、そのまま旅行を継続するってこともできるんだよ。」
「へえ。そんなことができるんですか。」
「まあ、だからどうなのって言われても困るけどね。」
「富士って聞いたら、焼きそば食べたくなってきた。」
「僕はお好み焼きかな。」
「焼きそばは富士宮のですよね。それはわかりますけど、お好み焼きって名物でしたっけ。」
「名物なのは桜えび。桜えびたっぷりのお好み焼きが好きなんだ。」




