219.鉄道(5)
「ネットで小湊鉄道のこと調べてたら鉄の字に『鐵』を使ってたんだけど。」
「うん。いつ頃からだか知らないけど旧字体の『鐵』を使い始めてる。」
「時刻表に載ってるのは普通の字だよね。本当はどっちなの?」
「会社の登記も、省への届け出も、『小湊鉄道』で行われてる。『小湊鐵道』はロゴマークなんかで使ってるね。」
「真岡鐵道とかはどうなの?」
「そこは正式に旧字体を使ってる。他にも大井川鐵道とか何社かあるね。」
「何でわざわざ難しい字を使うんでしょう。」
「小湊鉄道ってテレビコマーシャルなんかにも良く登場するけど、古い駅舎が残ってたりレトロな雰囲気があるから、そういうイメージを活かす意図があるんじゃないかな。」
「車両も昔風だし、トロッコ列車も運転してるよね。」
「なるほど。」
「あともうひとつ『鉄』の字を嫌ったって理由もある。」
「鉄道なのに鉄の字を嫌うんですか?」
「そうなんだけどね。鉄の字って金を失うって書くでしょ。」
「あ、そういうことですか。」
「そういえば、JRも似たことをやってなかったっけ。」
「うん。正式な社名はJR東日本ならば『東日本旅客鉄道』なんだけど、会社ロゴとしては金に矢と書いた俗字を使うことにしてる。」
「知りませんでした。」
「建物や門扉の社名プレートなんかに使われてる所があるよ。新宿の本社は新字体を使ってたけど。」
「小湊鉄道は新歓合宿の下調べ?」
「うん。2日目で行こうかどうしようか考えてる。」
「東京湾フェリーに乗るとか言ってませんでした?」
「うん。でも行程的に両方は無理なんだよなぁ。」
「僕はフェリーが良いな。」
「ボクもです。」
「ふたりとも同行する気満々?」
「他力本願デスッ。」
「心配なのは天気ですね…。」




