206.非鉄(10)
「ゴールデンウィークも今日で終わりだね。」
「うん。あっという間だったよ。夢幻の如し。まるで昨日まで学校に居たような気分。」
「ってか、ほぼトロトロ寝てたんじゃないの?」
「う~ん、そんな気もする。」
「なんというか休日の無駄遣いだと思う。」
「今年はシルバーウイークもあるから、次はそこに期待だね。」
「その前に夏休みがあるでしょ。」
「それはそれ。秋の連休は別腹の楽しみだよ。」
「別腹といえば、はい、今日のおみやげ。一日遅れだけど、かしわ餅だよ。」
「わーい。あれ?でも、お台場に行くって言ってなかった?」
「行ったけどさ、何か欲しいものあった?」
「いや、まあ特に思いつかないけど。」
「一応見てきたんけどさ、ピンとこなかった。で、『お台場○○』ってのよりはこっちのが好きかなって。」
「まぁ確かにね。お台場饅頭とか、お台場煎餅とかよりは…。」
「そゆのは無いんでないかい?」
「ところで、ユウは連休明けても部室に来てくれるかな。」
「去年は連休が分水嶺だったからね。」
「それ以降、部室に来る人が目に見えて減って、5月の末には僕らだけになっちゃったんだよね。」
「あれ?でもそう考えると、去年は5月中でも多少は人が居たのに、今年は4月からほぼ俺たちだけじゃない?」
「去年より状態が悪化してるって?」
「ユウは多分大丈夫だと思うんだけど…。不安がつのるね。」
「とりあえず、お茶淹れてくる。」
「ふう…。明日からは部室に行かないとなんだよなぁ。」
「部室じゃなくて学校でしょ?」
「え?部室なんて言ってないでしょ?」
「言いましたー。ハッキリ聞きましたー。」
「学校って言ったつもりだったんだけど。」
「え?ボケたんじゃなくて、マジだった?」
「マジ。五月病かな…。」
「いや、それは違うから。」




