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鉄道は鉄の道  作者: 宇美八潮
第二部「2年生編」
203/206

203.まくらぎ(5)

「運輸安全委員会の意見って、どんなことを言ってるの?」

「軌道は、適切に基準を定めて、きちんと保守管理すること。あとは適宜コンクリートまくらぎに交換しましょう、ってそんな概要だったかな。」

「当たり前のことを言ってるように思えるんですが。」

「その当たり前が難しかったってことなんじゃないの?」


「でも、それだけだと抽象的すぎて、効果が無さそうなんですけど。」

「なので具体的には…、えっとこれがその説明資料。」

「平成30年6月の資料、ってーと8年前かな。」

「最初に事故概要。」

「え?半年とちょっとの間に脱線事故が4件もあったんですか?」

「いずれも人的被害は無かったみたいだね。その下が軌間拡大による脱線のイメージ。」

「なるほど、こんな風に落っこちちゃうんだ。」

「次のページは、意見の内容を周知すること、軌間拡大防止策を促進するための指導をすること、そんなことが書いてあって、具体策はその先。」

「えっと、意味の分からない言葉が結構あるけれど、写真とか図を見るとイメージはわかる気がします。」

「言葉の説明は長そうだから遠慮するけど、ざっくりと翻訳して、トモえもん。」

「なんだかな~。えっと、軌道の保守管理で注意すべき点や基準と構造だね。あとは急曲線箇所を優先的に対処するってことかな。」


「枕木はコンクリート製にしないとだめなんでしょうか。」

「適切な点検と保守ができるのなら、木まくらぎでも構わないんだと思う。木製のものは比較的安価で取り扱いも容易だそうだし。」

「コンクリートのがお高いんだ。」

「その分長持ちするから長期的には安いんだろうけどね。それでも限られた予算では、少しでも安い木製のまくらぎを使ってたんだと思う。」

「だけど交換作業自体ができてなかったってことは、材質の問題じゃないですよね。」

「厳しい見解だけどそのとおりだね。適切に管理できてれば木のままでも事故は起きてなかったんじゃないかな。」

「劣化した木まくらぎを適宜コンクリートまくらぎに置き換えるって対応は、昨年乗ったアルピコ交通でも行われてたよ。」

「よく見てるね。」

「地元民でも気にしてませんでした。」

「まだ木まくらぎが主体だけど、状態はとても良いように見えた。」

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