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鉄道は鉄の道  作者: 宇美八潮
第二部「2年生編」
200/211

200.駅(5)

「なんか、某書籍のタイトルみたいな『変な駅』のオンパレードだね。」

「変な駅ってんなら、さっきナオが言ってた熊谷駅と本庄早稲田駅が一緒って感じのも、無いわけじゃないんだよ。」

「え、そうなの?それって地下鉄の赤坂見附駅と永田町駅を同じに扱う、みたいんじゃなくて?」

「うん。ひとつの駅のなかに乗降できるところが複数あって、それぞれに呼び名がついてるっての。」


「『たかのす』とかどう?どっちがどっちか覚えてないけど、JRと秋田内陸縦貫鉄道で『鷹ノ巣(カタカナが入るの)』と『鷹巣(入らないの)』を使い分けてたよね。」

「それは会社が違うから別の駅の扱いでしょ。」

「そっか。ユウは何か思いつかない?」

「ボクは想像もつきません。」


「駅じゃなくて停留場になるんだけど、路面電車だと停留場に複数の乗降場があって両方に停まるって例が何箇所かあるよ。」

「たとえば?」

「ちょっと時刻表見せてね。これ。広島電鉄に『紙屋町(かみやちょう)東』と『紙屋町西』ってあるじゃない。」

「うん。あるね。」

「このふたつ、実はどっちも『紙屋町』っていう停留場なんだよ。路線図で東西2つの乗降場の間から『本通(ほんどおり)』方面へ分岐してて、3方向に線路があるでしょ。」

「そうだね。」

「これね、西と本通方面、東と本通方面、東西を横切るっていう3つの運転パターンの、どれでも1回は『紙屋町』へ停車できるようにしてあるんだよ。」

「東西に横切る場合は両方に停まるんでしょうか。」

「そう。広島電鉄は『皆実町(みなみまち)六丁目』でも、3月末に運行を始めた『循環線』が交差点の北側と西側の両方に停車するそうだよ。」

「同じ停留場に2回停まるってことがあるんだ。」


「鹿児島交通局の郡元(こおりもと)とか、長崎電気軌道の西浜町(にしはまのまち)とかも似たような感じだよ。」

「路線図を見ると、どれも3方向の分岐なんですね。」

「西浜町の場合、北東側の乗降場が現在では『浜町(はまのまち)アーケード』として独立してる。」

「へえ。そうなんだ。」

「路面電車って、結構ラフだね。それが軌道法と鉄道事業法のノリの違いなのかな。」

「ノリって…。まあでも、そうかもしれないね。」

「ナオ先輩も普通に法律の話するんですね。」

「あ、ちょっと説明を聞きかじってる程度でしかないからね。」

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