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鉄道は鉄の道  作者: 宇美八潮
第二部「2年生編」
199/211

199.駅(4)

「トモのいう全長の長い駅ってどこなの?」

「熊谷駅。」

「え?こう言っちゃ失礼かもだけど、なんの変哲もない中間駅な印象だけど。」

「うん。その印象は否定しない。」

「あのさ、隣に後から開業した本庄早稲田駅が実は熊谷駅の一部として扱われてます、とかそんな突拍子もない話じゃないよね?」

「ああ、それは面白い発想だけど違うよ。」

「降参です。説明してください。」


「秩父鉄道の三ヶ尻(みかじり)駅って知ってる?」

「?唐突だね。知らない。」

「セメント工場の構内にある貨物専用の駅なんだけどね。」

「それがこの話と関係するの?」

「三ヶ尻駅の周辺は熊谷市から深谷市にまたがる工業団地になってて、その一画に上越新幹線の保守基地があるんだよ。」

「なるほど。そこも熊谷駅ってことなんだね?」

「うん。上越新幹線はそこまで(・・)が熊谷駅の構内って扱いになってる。」


「実際のところ熊谷駅と、あ、えっと、熊谷駅のホームがあるところから、どのくらい離れてるの?」

「公表はされてないみたいだから地図で見た概算だけど、お客さんが乗り降りする熊谷駅からは10kmキロくらい離れてる。」

「そんなに!?」

「うん。下り列車で熊谷を出て2分後くらいかな?右にカーブすると右側にセメント工場の特徴的な煙突が見えてきて、それを過ぎたあたりに保守基地への分岐器があるよ。」

「何か反則みたいな駅の範囲だ。」


「もっと駅から離れてたんなら、東北新幹線大宮・小山間の『鷲宮(わしのみや)信号場』とか、東海道新幹線米原・京都間の『栗東りっとう信号場』みたいに、信号場にしたかもだけどね。」

「え?そんなところもあるの?」

「うん。鷲宮信号場の場合は東北線の東鷲宮駅に隣接した保守基地まで高架の線路が伸びてる。栗東信号場の付近には新駅が計画されたことがあるよ。」

「JRで東京から新宿までの営業キロが10.3キロだから、上越新幹線の熊谷駅構内はそれと同じくらいの長さがあるってことだね。」

「え、そういう数って覚えてるんですか!?」

「武蔵境までの25.7キロとか運賃計算によく使うところだけ。」

「そんかし、歴史の年号とかは頭に入りにくいらしいよ。」

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