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アレステリア国物語  作者: 鳩峰浦
第三章 その手を離さないで/never let me go
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19 島間交流1/仲直りは自分でするもの

今回から島間交流開始です。

ちょっと人物増えるので、どこかで整理票を掲載しようかな、、、

 島間交流の日。

 俺は学校の2階の窓から、鮮やかに輝くヘルバスティアの南の海を眺めていた。


 陽光島から船がやってくる。


 ドレイク、スパナ……それから、キリンに会うのは、1か月ぶり。


 すっかり、学校の生活にも馴染んでしまい、特に、「コルダ」部の活動を通じ、リオとラシャとは随分仲良くなった気がする。ソラはソラで、女子達……特にいつも一緒にいる、3人組のリグル、ナル、スレイヤと交流を深めているようだった。


 ドレイクは何だかんだ社交的だから、結構人気者になってそうだし、スパナは……いつもどおり一人で草花とかいじってるんだろう。


 キリンは……どうしてたんだろうか。ソラから聞いていた話では、「ウェバー」部に入って元気に活動してるらしいけど……。「ウェバー」部って、白銀島では、結構男子が多いんだよな。女子は、洋裁とか、ダンス、音楽系の部活に集まってるから……。


 いや、別にあいつが誰と何をしてようと、知ったことか。そんなのあいつの自由だからな。


 「キリンちゃん、「ウェバー」部で大人気らしいよ」


  不意にソラの声が後ろから響く。


  俺は平静を装って振り向いた。


 「あいつ、男勝りだからな。男子みたいに思われてるんじゃないか? 最初に会ったときなんて、今よりも髪が短かったし、飛びかかってきたから男子かと思ったしな。まー、あいつがモテるはずなんかないから、大丈夫だろ」

 

 口から一気に言葉が放出された。


 口をあんぐりと開けて、ソラが立ち尽くしていた。


 「……そんなにキリンちゃんのこと心配なら、素直にそう言った方がいいよ? ほんと」

 

 「誰が心配してるって?」


 「コテツ君、ほんと、キリンちゃんのことになると、よくしゃべるよね。どっちかというと、普段は無口なのに」

 

 「……そんなことないだろ?」

 

 「今の姿をキリンちゃんに見せてあげたいわ」

 「止めてくれ。ていうか、今言ったことも、キリンには内緒だから」

 

 「私からは何も言わないわ。仲直りは自分でしてよね。あと、忘れてないと思うけど、みんなとは初対面の設定だから。ちゃんと初めまして、から始めてよね。そこから、怪しまれない程度に仲良くすることになってるから」

 

 「分かってる」

 

 「後、何かドレイク君も「コルダ」部に入って、今日の試合出るんだって」

 

 「何だって?」


 あいつ、何考えてんだ?


 「まさか……俺と当たらないだろうな。俺、リオが今回はどうしても勝ちたいって言ってるから、誰が相手でも勝ちに行くつもりだけど」


 ***


 白銀島の生徒達全員で、学園の近くの停泊所にて陽光島の生徒達を出迎えた。


 陽光島の中型帆船から最初に降りてきたのは、聖職者風のローブを着た、細身の男性だった。黒縁メガネをかけて柔和な笑顔を振りまくその人は、バルネストと名乗った。


 陽光島の学園教師兼、孤児院で牧師もしているそうな。


 白銀島と同じだ。今日、俺たちを引率したのは、白銀島の教師兼牧師のファルメテウス先生。 


 正直、白銀島の学園内での陰は薄く、週に一回、倫理学みたいなコマで会うだけだが。長い黒髪を真ん中分けした髪型で、細身の背格好は、聖職者風の服装も相まって、陽光島のバルネスト教師と似ていた。

  


 白銀島の生徒も陽光島の生徒も、お互いをちらちら見ながら、手を振ったり、目配せをしたり、何か小さくつぶやいたり。


 それは、同性同士のやりとりもあったが、特に特定の男女の間でやりとりをされているのが、やけに目立った。


 俺がそういう目で見てるからなのか……。


 いや、リオの目つきが明らかに違う。


 海と船を背に、バルネストの後ろに一列に並んだ陽光島の生徒達。その中で、右端の方に立つ、白に近い銀色の髪を緩やかな、お下げにした少女。その少女とリオが、はっきりと見つめ合っていた。


 ……何だか、恥ずかしくなってきた。


 そこから、目を逸らすようにして、ほとんど無意識に視線を動かした先で。

 

 赤い瞳と視線がぶつかった。

読んでいただいてありがとうございます!

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