#5:女(装)王みぎゃーの覚醒
突然の魔族の襲来により、ボンデジ村内は騒然とした。
戦闘態勢に入るヴァルキュリア達と、
その姿を見届けんとする勇敢な一般女性達。
そして逃げ回るマゾ男達。
そこへ多数の魔物達が攻め込んで来た。
何故、いきなりこのタイミングで大群で押し寄せて来たのか。
わからないまま僕はただおろおろしていた。
そんな僕の元へ、魔族達が集まって来る。
『コイツか?』
『いや、でもコイツ、女じゃないか?』
『いや、匂いがオスだぞ』
何やら口々に相談をしている。
そこへひよるがやって来て、魔族達を叩き斬った。
「何をしている!!
非常事態なんだ。自分の身は自分で守れと言っただろう。
私はもうアチラの方へ行くぞ!!」
そう言ってひよるは行ってしまった。
とは言え、女装して手汗の付いた鞭だけ持たされてどうすれば良いのか。
そんな事を考えていると僕の前に魔族達がやって来た。
『ヒヒッ、男の匂いに女の格好、コイツ何だァ?』
『とりあえず食っちまおうか。』
一体どうすれば良いのかわからず、とりあえずそこらにいるマゾ達を
馬に見立てて木の箱の上に乗り、簡易的に戦車のような形にしてみた。
マゾ達を戦車の馬にした女装王みぎゃー
『あぁっ、女王様、私達はあなたの馬です、ブヒィ~!』
と、マゾ達が鳴く。
「違うでしょ、アンタ達は馬なんだからヒヒィーンでしょ!」
そう言って鞭を打つと、マゾ達は喜び興奮する。
段々とノッて来て、ついでに魔族も叩いてみた。
『ギャッ』と小さな悲鳴を上げてのたうち回る魔族。
何だコレ、魔族ってこんなに弱かったのか?
それとも、最初に戦ったオークが特別強かっただけなのか?
僕は止まらず、マゾ戦車の上から魔族達を鞭で叩きまくった。
面白いように次々と倒れて行く魔族達。
その中には喜びながら倒れて行く者達もいた。
『グギャッ・・イ”イ”!!』
『ギモヂイ”イ”ー!!』
ゴブリン種等の知性の低い魔族は言葉が単純で、こんな具合だった。
幸い、僕の近くにはあまり強そうな魔族は寄って来なかった。
ヴァルキュリア達が率先して戦ってくれているのだろう。
とは言え、本当に何故こんなに突然このタイミングで村を襲ったのか。
ある程度周囲の魔族達を一掃した所で、
僕は知性のありそうな魔族に尋問してみる事にした。
「答えなさい。アンタ達、何で急にこのタイミングで村を襲ったの?」
すると魔族は黙り込んだ為、靴で踏みつけてやった。
『グギャッ、そんな事されたらたまりません・・・。
我々は-[長]-から命令されただけなんですぅ。
何でも、長が求めていた存在が現れたかも知れないとかで・・・。』
どういう事だ!?
しかしそれ以上を聞こうとしても、魔族は恍惚の表情で息絶えていた。
遠くからひよる達ヴァルキュリアが戦闘を終えてこちらへ帰って来る。
「時々村に魔族が襲って来る事はあったが、これほど大規模は初めてだ。
一体何故・・・。」
僕はひよるに、先程の魔族から聞き出した情報を伝えた。
すると彼女は言った。
「ふむ・・・。『現れた』とここ最近の事を言っているのなら、
みぎゃー。お前の事かも知れんぞ?」
「え!?いや、僕はこんな世界で待ち望まれる程、
特別な何かは無いと思うけどなぁ・・・。」
僕はそう答えたものの、特に何か確信があるわけでも無かった。
魔族達の『長』とは一体何者なのか。
どうしてこれほどに『マゾ』にこだわるのか。
答えは出ないまま、僕は今回の戦いぶりをひよるから誉められた。
「それにしても、凄かったじゃないか。
高位の魔族達を私達が引き付けていたとは言え、十分に戦えていたな。
この分だと、実戦とマゾいじめを平行しながら行えば、
魔族の長の元に辿り着く頃には十分に強くなっているだろう。」
そうして僕は今日の活躍を称えられる為、そして明日にはひよると
この村を出発する為、祝杯の祭に参加する事となった。
『『『女(装)王様に、カンパーイ!!』』』
村のヴァルキュリア達と一般女性、それにマゾ男達によって、
盛大な宴が催された。
僕はあるヴァルキュリアの女性に尋ねた。
「あなた達は、一緒に魔族の長の所に行かないんですか?」
「私達は、この村を守る使命があるからな。
それに、キミとひよるで十分に冒険は出来るだろう。
何せ最強の女(装)王なんだからな、ハハッ。」
苦いビール風の飲み物を飲みながら、彼女はそう言った。
僕の前には四つん這いのマゾがやって来て、背中に料理皿がある。
『どうぞ、ご賞味下さい、女王様!!』
僕は頬杖をつきながら、マゾの顔を靴で踏み付けてそれを食べた。
元いた世界よりも随分と質素な食べ物ではあったが、嬉しかった。
そして、ヴァルキュリアの女性達が僕の元に口々に言い寄って来た。
「あの、明日もう旅立たれるのですよね?
でしたら今夜、その、いかがでしょうか・・・。」
僕はソグンの件が頭をよぎり、少し複雑な気持ちになった。
しかしそうした事に悪い気はせず、どうしたものかと考えた。
「こんな、女装しているような僕でも良いのか?」
ヴァルキュリアの女性は少し顔を俯けながら答えた。
「逆に、そういった倒錯的な方が刺激的と言いますか・・・。
女王様からその、罵られたいと言うか・・・。」
あんなに勇敢に戦ったヴァルキュリアが、僕の前ではこんなにしおらしい。
僕は劣情を隠せず、宴もそこそこにして、用意された家へと帰った。
ほどなくして先ほどのヴァルキュリアがやって来た。
「あの、今夜・・・よろしいでしょうか?」
おずおずと聞いて来た彼女を、「そこに座れ」と命令してみた。
「は、ハイィッ!!」と、急に上ずった声をあげ、彼女は座った。
「あのさぁ、お前、恥ずかしくないわけ?
マゾみたいに発情して、僕の家にノコノコやって来ちゃってさ。」
そう言いながら彼女の胸に拳を押し当てる。
「あ、あのっ、だって私、今まで村の男達はマゾばかりで、
勇敢に戦うあなたを見て、その・・・欲情しちゃって・・・。」
彼女は照れながらも、恥ずかしげも無くそう言い放った。
「あっそ。だけどさ、悪いけど明日にはもうこの村を発つからさ、
今夜だけのオモチャとして、シッカリ遊んで壊してやるよ。」
「は、ハイィィィ、あなた様の事を忘れられないくらい、
刻み込んで下さい!!」
僕はまず彼女の両手首を背中側に回して、それを縄で結び固定し、
更に目隠したをした。これでもう完全に抵抗不可能だ。
軽く腹を足の指で撫でてやった。
「ヒゥッ!!・・・突然・・・ビックリしちゃいました。」
あの勇敢だったヴァルキュリアが、ここまで怯えた顔をしている。
面白くなり僕は彼女の顔に唾を吐きかけた。
「アァッ、汚されるの、たまりませんっ・・・!!」
とんだドMのヴァルキュリアがいたものだ。
もちろん彼女の日頃のストレスから来る被虐願望はわかるが、
それにしてもかなり歪んだ性癖だ。
「気持ち悪いな、お前。」
僕は冷たく言い放ってやった。
もちろん本当にそう思っていたワケでは無く、
こう言ってやった方が喜ぶ事を理解した上での言葉だった。
彼女は身震いし、いわゆる『嬉ション』をしてしまった。
「わ、漏らしやがったのか?
自分で舐め取れよ、今夜寝る時に臭いと迷惑だからな。」
彼女は不自由な体をくねらせながら床に這いつくばり、
自分が粗相をしてしまった跡を丁寧に舌で舐め取り始めた。
その頭を足で踏みつける。
「最後に女王様から、聖水をぶっ掛けてやるよ。
最高の思い出になって、忘れられなくなろうだろうなぁ?」
彼女は顔を上げ、口を開いた。
「あぁ、お願いします、女王様・・・私に慈悲を・・・!!」
僕は盛大に彼女の顔面を汚し、淫靡な夜は更けて行った。
────
やがて朝になり、身支度を整えた僕とひよるは村の人達に見送られる。
その時にはもう、昨夜のヴァルキュリアは気高い雰囲気を纏い、
他のヴァルキュリア達と同じく敬礼をしながら僕達を見送った。
しかし彼女だけは、少し腰が引いていたのを見ながら僕は、
またいつかこの村に戻る事があったら可愛がってやるかと、
心の中で考えていた。




