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#4:マゾいじめ

今回は結構過激めな内容です(笑)

「よし、それじゃあ早速、訓練を開始するぞ。

 『マゾいじめ』と呼ばれるものだ。」


ひよるは意気揚々と僕に告げた。

そんなに高らかに宣言する程に良い事のようにも思えないんだが・・・。


「まずはお前自身の気分を高める為とマゾ達の気分を高める為、

 女装して貰うぞ。

 ウイッグとドレス、それに鞭・・・その目にかけているものは外そうか。

 胸は矯正ワイヤーが入っているからな。あとは贅肉を寄せて、と。

 ・・・お、これは中々、意外と悪くないんじゃないか?」


そう言われて僕はひよるから向けられた鏡を見た。


そこには、全く変わり果てた僕が映っていた。


挿絵(By みてみん)

女装したみぎゃーとひよるとマゾ達


マゾ達がワラワラと足元にすり寄って来た。


何だか急に汚らしいという意識が強く芽生え、罵声と共に蹴ってしまった。


「寄るな、マゾどもが!!

 僕の美しい足にすり寄りたいなら、誠意を見せろクズども!」


蹴り飛ばされながらもマゾ達は嬉しそうだった。

気持ち悪いと言う感情と同時に心の底がゾクゾクした。


(何だコレ、ちょっと楽しいぞ)


ひよるはそんな姿を見ながら、拍手を送った。


「良いじゃないか、素質あるぞ、お前。

 やっぱりそうした格好をした方が気分が高ぶるだろう?」


言われて見れば確かに、この格好の効果というのはあるように思った。

無性にマゾをイジめたくて仕方がなくなって来た。


「それじゃあ次は、マゾ馬に尻を乗せてやればどうだ?」


「えぇ!?

 だけど男の尻なんて乗せられてもマゾ達は嬉しくないんじゃ・・・」


「今のお前は『女王様』なんだぞ。

 自信を持ってその有り難い尻をマゾの背中に乗せてやれ。」


すると、マゾ達がこぞって志願し始めた。


『わたしくめがやります!!』

『いいえ、わたくしが!!』

『どうぞご慈悲を、そのお美しいお尻を乗せて下さい!!』


物凄い勢いに正直少しドン引きしながらも、

僕は手近で最も貧弱そうな四つん這いになったマゾの背中に

荒々しく尻を落とした。


─ドンッ!─


マゾは『あぁっ』と恍惚の声を漏らしながら、背中が一瞬下がる。

しかしすぐに持ち直し、腕はプルプルしていた。


『あぁっ、女王様のお尻が私の背中に・・・

 たまらないぃ~!!』


ブルブルッと震えたマゾは、何と [お漏らし] をしてしまった。


「え、え!?

 ちょ、コイツ漏らしてるんだけど!?」


僕はあまりの事に驚き、ひよるに助けを求めた。

しかしひよるはそれをカラッと笑い飛ばした。


「アッハッハ、それは『嬉ション』と言うヤツだな。

 犬がよくやるだろう?

 嬉しくて気分が高揚してしまうとやってしまうんだ。

 しかしまぁ、決して躾がなっているとは言えないな。

 お仕置きをしてやらねばだぞ?

 お前のドレスの裾も濡らされているかも知れん。」


僕はギョッとした。

せっかく貰ったばかりのドレスを濡らされているかも知れない!?

それならばキツいお仕置きが必要だ、そう思い僕は鞭を手にした。


「この・・・出来損ないの駄犬が!!」


僕はマゾの尻を思い切り鞭で叩いた。


『グピャアァァ~!!ずびばぜぇ~ん!!!!』


あまりにも情けない声を上げ、マゾは肩から崩れ落ちた。


それに伴い、僕の尻はマゾの頭の方へと滑った。

イラッとして尻を一度マゾの頭に強く打ち付けた。

『あ”ぁっ!!』と今日一番の矯正を上げてマゾは気絶してしまった。


「ひよる・・・このマゾ、気絶したんだけど・・・。」


ひよるは先ほどよりも更にカラッとした笑いで返した。


「アッハッハ、お前最高だよ!本当に才能あるな。

 ノーマルなんかじゃなく、ドSなんじゃないか?」


しかし僕にはノーマルとドSの境界がよくわからなかった。

単にイラッとしたからそれを形にしたまでだ。


「だが、まだ少し遠慮が見られるな。

 マゾ相手だからそうなるのかも知れんが、

 実戦の魔族相手でも容赦なくやれるよう、

 シッカリとマゾ達をイジめ尽くさねばならん。

 何より彼らもそれを望んでいるんだからな。」


僕はマゾの本質の一端を垣間見て、本当に恐ろしく思った。

これまではおそらく普通の暮らしをしていた男性達が、

勇ましく魔族と戦いその瘴気にやられてこうなってしまった。

しかしそれはあまりに哀れ過ぎやしないだろうか。


「そうだ、もう一つ良い事を教えておく。

 魔族達は人間を襲う恐ろしい存在のように思われるが、

 実はヤツらにも隠れマゾが多いんだ。」


何だって!?

魔族に隠れマゾが多いだなんて、どういう事だ!?


「ヤツらの長の意向なのか、不思議と魔族にはマゾが多い。

 だから、ここで村マゾ達にやっている行為はそのまま、

 魔族にも効く場合があるんだ。」


「だけど!

 最初に助けてくれた時にひよるは、剣を使っていたじゃないか。」


「あの時は咄嗟で時間が無かったからな。

 それに、全ての魔族がマゾってワケじゃない。

 だが、意外と隠れマゾが多いのは事実だ。」


何と言う事だろう。

そもそもひよるが村の男性達の事を『村マゾ』と呼んだ事が衝撃的で、

それならば『町マゾ』や『兵マゾ』等もあるのかと勘ぐってしまう。


「別にドSじゃなくても良いんだ。

 ただ、マゾを喜ばせる術を知っている事は重要な事だ。

 そしてそれは思ったよりも簡単だ。

 マゾ達の魅力の一つは『チョロさ』にあるからな。」


ひよるの口から語られる言葉は一つ一つが衝撃的だった。

もちろんヴァルキュリアとして真剣にこの世界の復興に臨むからこそ、

マゾの特性についてを知り尽くしたのかも知れないが、

それにしたって高貴な女剣士としてのイメージからはかけ離れていた。


「私だって別に、好き好んでこうなったワケじゃないぞ。

 ただ、・・・私の愛する者達が、魔族によって襲われて死んだんだ。

 私にとってはそれだけで世界の復興への願いの火は十分燃えている。」


彼女はサラッと流した。

が、そこには本人にしかわからない痛みや後悔、怒りがあったはずだ。

僕はそれを [よくある物語] として消化したくは無かった。


「そうなんだね・・・それはとても、辛かっただろう・・・。

 僕もね、向こうの世界で彼女が突然失踪して、

 見つからないままコチラの世界に来たんだ。

 だから、大切な人が側にいない悲しみが少しはわかるつもりだ。」


「そう・・・。」


と、ひよるは小さく呟いた。

過去のトラウマを思い出してしまったのかも知れない。

僕は気を取り直し再び別のマゾの髪を掴み、マゾいじめを始めた。


「ほぅら、僕のおしっこを飲みたくないかい?

 口を開けて手のひらで受けな。」


しかしそこで、ひよるのツッコみが入る。


「お前、その『僕』はやめろ。

 マゾもお前自身も、気分が萎えるだろ。」


「え、一人称も変えないといけないのか?」


「そりゃそうだろ・・・。

 せっかくそんな恰好をしているんだから、

 『私』だとか、『アタシ』だとかにしろよ。」


「そうか・・・わかった。

 じゃあもう一度仕切り直しだな。」


僕は再び、先程のマゾの髪をグイッと掴んだ。


「ほぅら、アタシのおしっこを飲みたいかい?

 口をだらしなく上に向けて開けて、手で受けな!!」


するとマゾは『ブヒィ!』と鳴いた。


なるほど、言葉の使い方一つでもこうも変わるものなのか。

しかし、いざマゾの顔に向けておしっこをしようと思うと、

全く出なかった。


『・・・?あの、女王様、まだ・・・ですか?』


マゾが困惑している。


「あ、アレ?おかしいな、出ないぞ。

 今日はまだしていないから、出るはずなのに。」


その時、村の鐘が鳴った。


『魔族が来たぞー!

 総員、戦闘配置に着け!!』


何とマゾいじめの訓練途中に魔族達が攻めて来たのだ。

ひよるが言う。


「くっ、仕方ない。

 村に攻めて来ると言う事は相当な数が予想される。

 お前を守っている暇は無いかも知れない。

 その鞭で、自分を守り切るんだ。良いな!」


女装からのマゾいじめ、ひよるの過去、出ないおしっこ。

突然の魔族の襲来、そして戦いの予感。

僕は村にやって来てからたった一日で、

とんでも無い事態に巻き込まれつつあった。

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