#10:人間に友好的な魔族の村
ドエヌ城改めドエム城の国王より聞いた、北の方角にあると言う
人間に友好的な魔族の村へ向けて僕達は歩き始めた。
道中、ひよるが訝しんでいた。
「うーむ、何か引っかかるような・・・。
魔族が人間に友好的などと、どうにも怪しいんだよなぁ。」
カーラが応える。
「まぁ、それは皆思ってるけど、旅の次の目的地として
そこに行って真実を確かめてみるしか無いからな。」
それから半日程歩いてみたものの、全く村が見えて来る様子が無い。
仕方なくその日は野営をして、交代で見張り番をした。
翌朝、また北へと歩き続けて半日、ほぼ何も無い森と平野を歩いた。
ファートが言った。
「本当にあるのか、そんな村・・・。
少し疲れた、休もう。」
あれからずっと歩き続けて、もう食料も水も底を尽きた。
このままでは全員行き倒れてしまう。
それでもただ愚直に進むしか無く、僕達は更に歩いた。
夜になり月灯りだけになった頃、村が見えて来た。
カーラが言う。
「アレじゃない!?
良かったぁ~、今日は野宿じゃない!!」
辿り着いた村の入口には『人間歓迎』の幕が張られていた。
ひよるが言う。
「随分とわかり易く友好的なんだな。
罠じゃなければ良いが・・・。」
そうして僕達の足は自然と村の入口近くの地下室へと向かって行く。
何があるかもわからない地下室に自然に向かう僕達は結構ヤバい(汗)
するとそこには、衝撃的な光景が広がっていた。
マゾ達を可愛がる魔族達
マゾ達が魔族に懐き、魔族達もまんざらでもなさそうだったのだ。
『あぁ~ん、エサを食べさせて下さい~』
『可愛がってぇ~!!』
それに応じる魔族達・・・。
カーラが呆れて言う。
「コレは・・・理想郷とは程遠いが、平和・・・なのか?」
すると僕達に気付いた一人の魔族がコチラへやって来た。
「ようこそ、人間達!だけどマゾでは無いのかな?
俺達はマゾの人間が可愛くてしょうがないんだ。
だけどもしマゾじゃないのなら、興味は無い。帰ってくれ。」
何と、マゾ達を飼う事に喜びを感じているタイプの魔族達だった。
僕は食い下がる事にした。
「いや、実は今、魔族の長の居場所を探していてさ。
それと、もし知っていれば目的も知りたいんだ。」
すると魔族は親切にも答えてくれた。
「まぁ、ココにいるマゾ達だって人間の仲間だからな。
特別に教えてやるよ。まずお前達、この世界の形をしっているか?」
そう聞かれて、何と答えれば良いかもわからず「さぁ?」と答えた。
「まずな、この世界を空から見れば、『M』の字になってるんだ。
お前達がどこから来たのか知らないが、一番左下にボンデジ村がある。
そこから真っすぐ北に進んでその頂点がこの村だ。」
何と、この世界の地図はMの字をしていると言うのだ。
そして僕達のこれまでの冒険はMの字の左側を直線的に北に進んでいた。
「あと、長の目的か。長はとても強い魔力を持っていてな。
ある時に願ったみたいなんだよ。この世界のオス達が全て
マゾになれば良い、ってな。何でそう願ったかは知らん。
だけどそれにより俺達魔族が生み出され、人間のオスはマゾになった。
ただそれだけの事だよ。」
話は思ったよりシンプルだったが、謎も残ったままだった。
何故、マゾになれと願ったのか。だけど少しヒントが貰えた。
お礼を言いこの場を後にしようとした時、ファートが倒れた。
ひよるが言った。
「今日一日ずっと飲まず食わずで、ついに限界が来てしまったんだ。
私達もそろそろ、限界かも知れない・・・。」
その様子を見て魔族は「コレはいけない」と、僕達を食堂へと呼んだ。
そしてそこでは人間のものよりも荒々しくはあるが十分に食べられる、
豊富な食料と水分を頂いた。
腹を満たした所で考えた。
この村は一見奇妙に見えるが、とても平和だ。
こんな理想的な場所ガあるのならいっそ、マゾは魔族に任せれば良い。
しかしそこでひよりが僕の考えを察して口を挟んだ。
「みぎゃー、お前まさかここが理想郷だと感じていないか?
確かに平和な場所ではあるが、私達の目的はあくまでマゾ男達の
ノーマル性を取り戻させて人間の出生率を上げる事だ。
このままこうした事が続いて行けば人類は絶滅するぞ。」
そうだった。
つい、目の前の平和な光景に気を取られて目的を忘れかけていた。
そして世界がMの形で今が左上ならば、これからは南東へ進む事になる。
僕は魔族に聞いてみた。
「あの、ここから南東に行った場所には何があるんですか?」
「あぁ、あそこは・・・Mの字の丁度ド真ん中、世界の中心。
そしてそこにあるのは、マゾ達のエネルギーを抽出して、
魔族達の魂にマゾ要素を入れ込む実験をしている、
研究施設の『マゾ研究所』だ。」
マゾ研究所!?しかも、魔族達にマゾが多いのはそれが原因か!?
「多くのマゾ達が搾取されていると聞く。
しかも魔族も非常に多く、そこに向かうヴァルキュリア達はことごとく
返り討ちにあい処刑されると言う噂だ。
ヴァルキュリア処刑場が一角にあるとも言われているな。」
ひよるが、顔面蒼白で呟いた。
「ヴァルキュリア・・・処刑場だと?」
ファートとカーラもゾッとした顔をしている。
魔族が親切にアドバイスをくれた。
「別に必ず通らなければいけないワケじゃないし、
長の所に行きたいのなら研究所を横目にしながら
そのまま素通りする事をおススメするよ。
さすがにその人数で行ってもすぐに処刑されるよ。」
・・・とても衝撃的な内容だった。
まさかのヴァルキュリアの処刑場だなんて。
マゾ研究施設もさる事ながら、そこに併設されたその施設名に
3人は表情が固まったまま押し黙ってしまった。
カーラが最初に口を開いた。
「素通りなんて、出来るワケないよね。
多くのヴァルキュリアがそこで処刑され、そしてこれからも。」
ファートが続ける。
「だけど、私達だけではすぐに処刑されしまうって・・・。
行っても無駄になるのなら、どうすれば・・・。」
ひよるが重い口を開いた。
「行こう。素通りなんて出来るワケが無い。
みぎゃー、すまないな。もし私達に何かあったら、
後はお前一人で冒険して貰う事になるかも知れない。」
ひよるはそこで身を散らす覚悟のようだった。
僕は言った。
「僕が、そんな事にはさせない。
絶対にキミ達を処刑なんてさせないよ。
ここまで一緒に来た仲間なんだ。
そんな簡単に終わらせてたまるかよ。」
言ったは良いが、正直何の自信も無かった。
ただ、彼女達の不安を少しでも取り除きたかっただけだ。
ひよるが、珍しく少ししおらしくなり僕に言う。
「今夜、少しだけ良いか?
もし明日この身が果ててしまうのなら、せめてお前に
私が生きた証を遺しておきたいんだ。」
どういう事なのか、僕は理解した。
だけどそんな切ない一夜なんてあって良いのか。
僕達はそれぞれに別棟のコテージを用意されて、
そこで一晩を明かす事になった。
そして僕が練る準備をしている所に、
鎧を脱ぎ軽装になったひよるがやって来た。
「私を、抱いてくれ。
最後に女として生きた証を残したいんだ。」
彼女は本来、こういった事に積極的なタイプでは無い。
むしろずっと長く高潔を保って来た。
それが、純潔を散らす覚悟を僕にぶつけて来た。
僕はひよるの長い銀髪を撫でながら梳いた。
度重なる戦闘によりキシみも見られるが、
それよりも何よりもまだ綺麗なキューティクルが残る。
そして顔をジッと見ると彼女は目を瞑る。
ひよるとの夜
凛々しくも透明感の残る唇が震えている。
僕はそこに自らの唇を重ね、彼女を抱きしめた。
彼女の体は震えていた。
明日、もしかしたら処刑されてしまうかも知れない。
そんな恐れや不安から来るものだったのかも知れない。
僕はその震えが収まるまでずっと抱きしめ続けた。
そして、彼女の衣服をゆっくりと脱がして行った。
彼女の衣服の下の肌は絹のように細かく美しかった。
僕は彼女の肌に指を滑らせながら、アッと言う嬌声に
理性が抑えられなくなり、彼女を犯した。
そうして、夜が深けて行った。




