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ミルヒ  作者: ハルマツイブキ
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12月25日(2)

クリスマスのアルバイトをなんとか乗りきることができた。忙しさはもちろんであるが、来るお客さんがみなカップルであり、カップルの幸せのために私がお手伝いをしているようで、精神的にも疲労感があった。その忙しさの分、時給が上がっているらしいのでそれで自分を納得させた。


アルバイト後に携帯を見てみると、メールが2通届いていた。1通は高校の友人からで、年末の飲み会のお誘いであった。私には誘われるだけの人望が残っているんだなあと感動しながら、私の予定と照らし合わせ、お断りした。行けないことが残念ではあったが、人望が私にもあることに嬉しくなった。サンタさんからのクリスマスプレゼントだと思った。今度は私から彼を飲み会に誘おうと決めた。もう1通のメールは清水さんからであった。

「バイト忙しいだろうけどがんば」

非常に簡潔なメールであり、それが清水さんらしく、私は生きていてよかったなあと感じた。「がんば」とは頑張れを略した若者言葉である。れを打つ手間が省けるというのはそんなに良いことなのだろうか。あとちょっとがんばれと私は思ってしまうのだが。ともかく、私はこのメールにとても感動した。清水さんからメールが来ることは今までほとんどなかった。今までは私から送って、その返信が来るというパターンか、部活の事務的なメールが清水さんから来るというパターンがあったが、そのどちらでもなく、清水さんからメールが始まるというパターンはこれが初めてであったように思える。これは何かしら私と清水さんの関係が進歩しているのかもしれない。



今までは部活の仲間として私は清水さんに見られていた。それが告白してからはどこか距離を置かれていたような気がしたが、その距離も縮まりつつあるということだろうか。今までコツコツとしてきた雑談メールや何気ない会話などが向こうからメールをするという結果に繋がったと言えるのではないだろうか。ここから何かまた変化はあるんだろうか。向こうからメールが来るくらい、仲が良いことは嬉しいが、それがまたさらに発展はしてくれるのだろうか。疑問に思っているというよりは、そうなってくれることを私は期待していた。


今まで、合コンや紹介の女の子とご飯に行ったりしていたが、それは「清水さんを好き」でいる自分から逃げたかったからだと思う。好きでいたら傷つくし、清水さんに迷惑をかけるような気がしていたからだ。でも今日初めて、清水さんを好きでよかったと思える出来事に出会えた。それは本当に小さな出来事ではあるが、私という小さな人間にはそれでも十分に思えた。まだまだ清水さんを忘れられそうにないなと、アルバイトの帰り道、寒さに耐えながら感じた。

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