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ミルヒ  作者: ハルマツイブキ
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12月27日

忘年会には部活の同級生、8人が集まった。うち、マネージャーは3人である。そのうちの一人にもちろん清水さんがいた。パフに18時に集合とのことであり、私はいつも集合時間より早く着くタイプの人間なので、18時になるまでお店の前で携帯を触りながらみなを待っていた。

すると、清水さんが一人でやって来た。清水さんは誰かと一緒に合わせて来るというタイプではなく、一人で何処へでも行くような子だ。きっと残りの二人のマネージャーは一緒に来ることであろう。かといって清水さんがその二人から嫌われているというわけではないということは知っておいてほしい。清水さんは一人の時間を苦に感じないのだ。

「時間より早く着くなんて珍しいね」

「そんな遅刻するようなイメージある?いつも早くに着いてる気がするんだけど」

「一回部活に遅刻してキャプテンに怒られてたからそのイメージが強いのかな」

「僕でさえそんなこと覚えてないのによく覚えてるね」

「人の不幸は蜜の味ですから」

なかなか黒いところを垣間見た気がしたが受け流した。

「寒くない?もう入ろうよ」

清水さんと二人で入店し、席について話を再開した。このまま二人がいいなと思ったが、幸せな時間はすぐに終わり、残りのメンバーが続々と入店してきた。しかし、向かい合って4人ずつ座れる席に、来た人から順番に、奥に座ろうという雰囲気ができていたので、最初に来た私と清水さんは向かい合っている状態になった。忘年会ではそのままずっと清水さんと向い合わせで話すことになった。

「クリスマスのバイトは大変だった?」

「大変なんてもんじゃなかった。」

「ふーん、私はアニメ見て優雅に過ごしてごめんね」

「とてもリア充な一日でしたね…」

皮肉のつもりで言ったのだがそうは受け取ってもらえず、そうでしょう、と同意をされた。



忘年会は日を跨ぐことなくお開きとなり、帰ることになった。帰りの電車は清水さんや他の部員たちと方角が違うため、駅で別れることになった。今日清水さんとした会話を電車のなかで思い出し、思わずニヤリとしそうになる顔をこらえるのに苦労した。清水さんと話をするということがそれくらい嬉しかった。

だが、このままではいけないという思いがまた出てくる。このままでは私は独身だ。他の子と、それこそ真鍋さんなどとの可能性さえ、私は潰している状態である。清水さんとはもう会わない方が私のためなのではないだろうか。

それとも清水さんとちょっと話しただけで幸せを感じる今の状態に満足してしまおうか。それがいいような気がした。そしていつか、いつか清水さんが私に振り向いてくれることを、どんなに可能性がゼロに近くても、ゼロでも期待して、ずっと清水さんを待ち続ける方が今の私には向いているような気がする。無理やり誰かと会ったり、向いていない合コンに行くよりもそっちの方が私には合っている。そしてなにより、清水さんが好きという気持ちに一番正直である。もう、一生独身でも構わないとさえ思えた。



だけど、きっとどこかで寂しさを感じるんだろうなと思ったので清水さん付き合ってください。

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