第一話
私の小説は一話一話が短くなると思われます。こまめに更新できるよう頑張りますんでよろしくお願いします(必死)
1.
「ん」
よく寝た、と伸びをしたところまではいい。そのあとが問題だ。ここはどこだ?昼寝を邪魔されたくなくて脱走してきたことは覚えているのだ。森に入ったことは覚えている。だが、こんな風景を見た覚えは全くない。
「…嘘、だろ」
昼寝の前は春うららかな野原だったのだ。それが、たかが数刻で雪原に変わるか、普通?
地面に施された白い物は冷たく、触れれば解ける。幻覚じゃ、ない。
幻覚でないなら、いったい何なのだ。
「ありえな
「ありえてるじゃないの」
砂ぼこりならぬ雪ぼこりを払いながら視界に移りこんだのは5歳くらいの少女。
「目の前にあるんだから信じたらどう?…というか、ここがどこなのか分かって入ってきてるんだから異常気象くらいで驚いてどうするの」
分かって入ってきた、言葉道理ならその通りだ。ここは『魔女の森』と知っていた。
「どうせ信じてなかったんでしょ」
だって、仕方ないではないか。今の時代では魔女は天然記念物と言って差し支えない。
もともと一般人に比べて少なかった(1000分の1と言われてる)魔女はその力を有するために異形の者として迫害を受けた。所謂、魔女狩りだ。その魔女狩りのせいで大陸の魔女はさらに100分の1になったといわれてる。
しかも、だ。この森は二つの国の国境となっているのだが、東側の国であるダレス国は大陸きっての魔女狩り大国なのだ。魔術を毛嫌いするそんな国に面していて存在を信じられるわけがない。
ダレス国の魔女嫌いはこの大陸の者なら小さな子供でも知っている。ほかの国は知らないが西側に位置する母国、オウセラ国の母親はいうことを聞かない子供にこう言い聞かせる。
「ダレス国に連れてくよ」と。
まぁ、オウセレ国が大陸きっての魔術大国ってこともあるんだろうけど。ダレス国では魔女は身動きできないように〈ハシマキ〉にされて、川に流される…なんてことが未だにやられてるらしい。
自国ではありえないことだから信じられなかったんだけど。
「じゃないと、そんな軽装備で来るはずがないもの」
心の中での言い訳から彼女の声で呼び戻される。
さっきから何なんだ、この居心地の悪さは。
「次も昼寝に来るのならもっと重装備でもするのね」
…流石にイラッとくる。明らかに年下の少女にこんな言い方をされるなんて。
確かに正論だろう。俺が悪い。
「お前さ、仮にも初めて会った人間に、しかも年上の人間にそんな口のきき方ないだろ」
言われっぱなしで悔しかったのもある。してやったって気もあった。
「お前、そんなんだと母親に『ダレス国に連れていく』って言われるぞ?」
だから、彼女の様子に気づかなかった。
「ぃ、…よ」
「は?」
「うるさいうるさいうるさいっ!!!アンタに私の何が分かるっていうの!!」
いきなり、怒鳴られて驚いたからか?
僕は彼女の手を捕らえ損ねた。いつの間にか強くなってきた雪に紛れてあっという間に見えなくなった彼女が僕に残していったものは強い罪悪感…それと、後から気付いた、おそらく彼女のマントだった。
最初から仲違いしてしまったよ…(私がやったんですけどね)これは待雪にも予想外な展開だったんです。




