第十四話
14.
「で?何か文句あるわけ?」
いきなり、知らない奴が押し掛けてきた上に掴みかかってきた。
「殿下に何をした!?」
あいにく、『殿下』と呼ばれる知り合いは一人しかいない。
「あのねぇ?こっちはこっちで忙しいのよ、離してくれる?」
アイツの従者だということは腰に着いた剣を見て分かった。
風が凪ぐのが分かる。仕方ないよね、私のせいじゃないもん。
掴まれた首から花弁と水蒸気を溢れさせ、姿を消した。
「セルフォーン殿下に何かあったから来たんだろうけど」
きっと、この人の思ってることは早とちりじゃないかと思う。何かはやったけど、決して害を加えてないし。
「それ、彼が私にやられたって言ったわけ?」
「…」
耳はいいらしい、声のした方へと鋭い黄金の瞳が向いた…残念だけど、私は君の上にいるんだよ。
「大方、呪いの類だろうね」
お前がやったんだろう、みたいな目で見ないでほしいんだけどな。
「ここ数日で、急にやつれたから変だなとは思ってたし…軽く加護はあげたんだけどね」
軽くても、魔女の加護だ…簡単に侵入を許す筈がないと思っていたんだけど。
「これは私の手落ちなんだろうね」
借りはあれじゃ返せないらしい。
「話、聞かせて貰おうじゃない」
借りは借りっぱなしでは気持ちが悪い。
「誰がお前なんかに!!」
「じゃぁ、読めばいい」
-黄金はいかなるモノであっても、その過去を見透かす
「忙しいんだけど、協力してあげる」
目の前に姿を現し、額に掛かるフードを下ろし、黒髪を掻き分ける。
「!」
身分が高いみたいだから、私の顔が似ていることに気が付いたのかもしれない。
「ここ数週間の記憶、見たらいいわ…それしか私は持ってないもの」
額にゴツゴツとした硬い手がふれる。
私も意識を集中した。あまり深くまで知られるわけにはいかないのだ。
パンっ
どうやら、彼は踏み入りすぎたらしく弾かれる様に手を離した。
「ごめんなさいね、ここから先は私の過去だから見せられない」
「…分かりました」
状況を悟られたのかもしれないけれど、憶測の状態であれば言ったりしないだろう。
「どうする?信じるの?」
信じてもらえなくても大して変わらないけども。
彼が誰かは分かる人もいるんじゃないかな…と思います。
読んでくださりありがとうございました!次回もよろしくお願いします!!




