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59話 クラゲは面倒です

「ミロク、起きろ。」


いつものようにシエラが起こしてくれた。ねている間に服と体がきれいになっていた。

マヤルが掃除魔術できれいにしてくれていたらしい。

朝食も早朝から、昨日取れた魚といつの間にか採っていた木の実でおいしそうなスープを作っていた。


この人、便利すぎる。


スープの匂いに寄ってくる魔物がいるかもと思ったが、うちのヘミスフィアが匂いを出してないらしい。


もろもろ準備してテントを畳んで今日も魔境の探索に向かった。ここ数日、魔力をあまり使わず過ごしてきたから、正確な値はわからないけど数千桁はあるはず。


「ミロク、なんか念話が使えるようになるって魔術あったよな。会話する度に音魔術で調整するの大変なんだよ。」

「そういえばそんなものあったな。使ってみよう。 数学魔術・社交数 12644640,15432840,17710240,15502896,16140512,12644640」


『聞こえるか?』

「「「「はい。」」」」

『聞こえてるぞ。』

シエラだけ念話で返してくれた。


『これからは念話で会話しよう。 今なら君たちもお互いに使うことができる。念話を送る人を思い浮かべて脳内に直接声をかけるイメージだ。』

『こんな感じですか?』

『そうだ。ちゃんと来てるぞ、マヤル。』

『聞こえますか?』

『ちゃんと聞こえるぞ、リズベルト。』

『こんな感じか?』

『ちゃんと届いてるぞ、アリソン。』

『聞こえているでしょうか。』

『おう、聞こえてるぞ、ヘレネ。』

『全員できるようになったな。』


昨日と同じ戦法で底を目指す。

潜ってから5分、最初の魔物を発見した。タートルキングが2体、脅威度4が2匹、普通の12歳なら絶望でしかない。1匹は攻撃組の2人に任せることにした。少し苦戦するかもしれんが、倒せはするだろう。


もう1匹はうちの準備運動に付き合ってもらおう。そう指示するとすぐに動き出してくれた。まずタートルキングの目の前にスクエアを出した。スクエアは上位種であるタートルロードですら目視できなかったのだから、もちろんタートルキングもぶつかった。タートルロードほど強くないから、軟かめに作ったスクエアに少し罅が入ったくらいですんだ。


ぶつかって少し混乱してる奴の下に水平のスクエアを出す。

「世界の理たる重力を我が前の敵に降らせたまえ、グラビティー!」


そして、重力魔術でその土台に叩きつける。

自分で出したスクエアを蹴ってその勢いのまま首元に鉄扇を叩きつけた。

タートルキングは死んだ。


マヤルに収納してもらおうと思ったけどタートルロードほどではないが、1メートルもある大きな亀の収納は厳しいらしい。うちの四次元収納に、攻撃組が倒した1匹も合わせて収納した。


そこから小物を何匹か狩っていくこと20分。


『前から、大型の魔物が接近してきてます。』


ヘレネに言われて皆、身構えた。

現れたのは脅威度5のタートルロードだ。以前闘ったのと違い、海亀型だ。


『攻撃組の2人はタートルロードの攻撃を相殺してくれ。攻撃はうちがやる。』


前にタートルロードを倒した方法は使えない。強力な攻撃魔術さえ使えたら。いや、1つだけ使ったことがない魔術がある。それが魔物にだけ効果がある魔術の可能性がある。


「数学魔術・友愛数、220、284」


思ったような効果はなかった。でも少しだけ動きが止まった。数を増やせば、


「数学魔術・友愛数、1184、1210」


魔力がごっそり減った。3000くらいは使ったな。ただ効果はすごかった。

タートルロードの攻撃が止まった。タートルロードの敵意が完全に消えていた。

ゆっくり近づいて来た。理解した。友愛数は魔物と友達になる魔術だ。契約系の魔術に近い。


『こいつ、うちに懐いたみたい。』

『『『『えぇーーーー!!!』』』』


シエラ以外の4人がびっくり。シエラだけはもう驚くこともなくなっていた。少し目の大きさが大きくなったような気もするが。


「名前をつけてやろうか。」

そう言いながら、頭をなでなでしてやった。


「うーん。ダイヤだ。おまえの名前はダイヤだ! ダイヤ、湖底まで乗せてってくれないか?」

簡単に意思疎通ができるみたいで、言葉は通じないはずなのに、頷いている。


『ダイヤが湖底まで乗せてってくれるらしい。』

『ダイヤ? 名前をつけたのか?』

『ああ。皆ダイヤの背に乗って! 湖底までとばすぞ! しっかり掴まってろ。』


昨日は1時間かかった距離を30分ちょっとでついた。これなら次、トイレに行くために上がるときまで1 時間くらい湖底を探索できる。


探索を始めてから30分、シエラが魔鉄行でジェリーフィッシュキングを見つけたという。6人で急いでシエラの魔鉄行がある場所に向かった。デカい。3mはあるだろう。


棘のある触手、細い糸のような触手、先が剣のように尖っている触手、絶対何か撃ってくる銃口のような物が付いた触手、メイスのような鈍器が付いている触手。


どれも1本あるだけで十分やばいのに全部5本ずつくらいある。

動きが遅い。それしか欠点が見つからない。見た目もすごいが、こいつの一番やばいところは、魔力が続く限り即時再生し続けるところだ。


『あいつに2人が出せる最高の攻撃を放つんだ。多分再生するだろうが、魔力を削っていく必要がある。』


クラゲ系の魔物は魔力で動いて、魔力で周りの様子を見て、魔術で攻撃してくる。その上、特性上、急所がない。


かけらも残さず完全に消滅させるか、魔力が尽きるまで攻撃し続けるしか、討伐手段がない。消滅させるのは無理だ。できたとしても今回は持ち帰るまでが課題だからな。2人の全力で消滅させてしまうことはないはずだ。


「渦潮で我が前の敵を飲み込め、ワールプール!」

「我が前の敵を暗黒で飲み込め、ダークボール!」


アリソンが渦潮でリズベルトが闇の弾丸でジェリーフィッシュキング攻撃した。ついでにとばかりにダイヤが水槍で攻撃した。そんな攻撃を受けてジェリーフィッシュキングは体の大半が消し飛んだ。普通の魔物ならその時点で死ぬ。だが、このクラゲは3秒程でもう再生した。社交数の効果で魔力供給が可能なのでアリソンとリズベルトに4人で魔力を与えて、攻撃を続けた。6回目の攻撃で、ジェリーフィッシュキングの触手が3本再生しなかった。


『魔力が尽きたみたい。マヤル、収納に入れてきた縄で触手を縛るぞ。生きたまま持って行く。』


生きている状態だから収納にはしまえない。だから、そこからは何もできないジェリーフィッシュキングの触手を縛ってダイヤの背中に巻き付けた。

ゼノス先生にジェリーフィッシュキングを提出して、トイレを済ましたら、また湖に潜った。それからは集合時間まで雑魚魔物を狩っていった。もう、うちはほとんど手を出していない。魔力供給だけは続けているが。


テントに戻ってからは、昨日と同じ結界を張って、軽く食事した。ダイヤが皆が寝ている間の護衛をやってくれるっぽい。タートルロードはヒレも足も持ってるらしく、湖から出てきたらヒレを甲羅の中にしまって足を出してきた。タートルロードに関しても図鑑で読んだことがあるが知らなかった。


「皆が寝てる間頼んだよ、ダイヤ。」

「⋯⋯」

何も言わないけど伝わっただろう。安心して寝よう。










また、あそこだ。

白くて何もないあの空間。

ここに来るのは4度目だな。

前回は何もなかったみたいだったけど、今回はどうか。



「数学魔術『ゴールドバッハ彗星』の取得の準備が完了しました。数学魔術『円周率π』の取得の準備が完了しました。数学魔術『ユークリッド空間』の取得の準備が完了しました。マスターの許可を申請します。なお、現在マスターの意識は希薄なため魔力を消費し強制許諾を行います。数学魔術『ゴールドバッハ彗星』の取得に成功しました。数学魔術『円周率π』の取得に成功しました。数学魔術『ユークリッド空間』の取得に成功しました。」


え、誰?


「マスターのスキル干渉権限は現在レベル1のため、その質問にはお答えしかねます。」


え、思考を読まれた。


(わたくし)はマスターの一部です。当然、思考はリンクされております。」


スキルってあの異世界転生・転移系のラノベでよくある魔術みたいに特殊能力を使えるやつだよね。

スキル干渉権限って何? まずうちはスキルを持ってるの?


「スキル干渉権限とはある個体がスキルをどれだけ使いこなせているかの指標の1つです。マスターの現在所持しているスキルは

一般スキル

・魔力感知 Lv.7

・鑑定感知 Lv.3

・精神攻撃感知 Lv.2

・精神攻撃耐性 Lv.2

・接近物感知 Lv.1

・悪意感知 Lv.1

・敵意感知 Lv.2

・殺気感知 Lv.1

・視線感知 Lv.1

・熱感知 Lv.1

・熱変動耐性 Lv.1

・魔物感知 Lv.1

・剣術 Lv.5

・鉄扇術 Lv.10 max

・鉄扇聖術 Lv.2

・スキル干渉権限 Lv.1

固有スキル

・数学属性魔術 Lv.8

・階乗

・アレフ0

となっております。マスターがこれを閲覧したことによりスキル干渉権限のレベルが2に上がりました。スキル内容の一部が閲覧可能になりました。閲覧しますか。

▶はい

 いいえ」


もちろん、はいだ。一般スキルの内容はスキル名そのままだった。


「階乗スキルはマスターが何かに驚いた時にその時点の魔力の値の階乗に魔力を増加させるパッシブスキルです。これまでに6回発動しております。アレフ0は魔力嚢の容量が無限になるパッシブスキル。他にも権能がございますが、スキル干渉権限レベル2では教えられません。」


なるほど。

色々謎が解けた。

突然の魔力増加も、魔力上限が無限だったのもこのスキルの恩恵だったのか。

階乗スキルは6回も発動しているのか? 1回はソーナと闘う前のあのときの発動。

そのほかに魔力が増えることなんて今までになかったんだけどな。


あ。

そうか。

0の階乗は1。1の階乗も1だ。だからどれだけスキルが発動しても魔力量は1を超えないのか。


それはそうと、結局君は誰?


「マスターのスキル干渉権限は現在レベル2のため、その質問にはお答えしかねます。」


そうか。まだダメか。残念。

スキルを使えば使うほどスキル干渉権限のレベルが上がり、スキル干渉権限のレベルを上げればあげるほどスキルについて知れるのかな。


「その解釈で問題ありません。」


スキルってどうやって使うの?


「基本は魔術と変わりません。スキル名を念じたら使えます。鑑定感知、精神攻撃感知、精神攻撃耐性、接近物感知、視線感知、熱感知、熱変動耐性、魔物感知、鉄扇術、鉄扇聖術はアクティブスキルなので、この方法でのオンオフの切り替えの必要があります。アクティブスキルは使用中は魔力を消費しますので気をつけてください。」


わかった。


今手に入れた数学魔術の説明はしてくれる?


「問題ありません。数学魔術『ゴールドバッハ彗星』は彗星を召喚する魔術です。魔術を使ったところに着弾します。数学魔術『円周率π』は光のチャクラムを作り出し、それで相手を攻撃する魔術です。数学魔術『ユークリッド空間』は別空間に転移できる魔術です。」


実際に見てみないとわからないか。

使えばわかるだろう。


「マスターの目が覚めそうになっています。これよりスリープモードに入ります。」


え、ちょっと待って。うちが起きている間はスリープモードなのか?


「・・・・・・」


返事無しかよ。

まあ、また会えるだろう。

ついに攻撃魔術を手に入れたミロク。

スキルも使えるようになって。

もうチートと呼べる程度に強くなったのではないでしょうか。

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