第4話「心が燃えていて。」
朝。ミヨとばったり遭遇。
軽い会話をして登校が完了した。
平和な朝だな〜なんてボケっとしていると、
「やめてください!」
「うっせーなぁ大人しく言うこと聞けよォ!!」
またもや教室の外で怒号。今度は2年の蛇白というセンパイが1年に絡んでいるらしい。治安が悪いんだなここの廊下は。
クラスメイトに聞いたところ、無理やりワンダーの勝負を持ち掛けて蹂躙した挙句、財布をぶんどっていくらしい。なんて憎たらしいんだ。
「ん?」
よくよく見たら絡まれてんのミヨじゃねーか!!
やべぇ!!!
考える前に先に体が動き出していた。
「蛇白センパイ。やめてくださいよ。」
「カケル君!?」
「お?おめぇはオニオーぶっ倒したっていうクソ生意気な1年じゃねぇか!」
リョウ。今ならお前の気持ちもわかるぜ。
「ワンダーがしたいんですよね。俺とやりましょう。俺が負けたら有り金全部渡します。でも俺が勝ったら、」
「お前らに手出すなってんだろ?わかってるよ。そんな未来は無ぇけどな!」
話が早い。大丈夫。勝てばいいんだ。
ついこの前の俺からは考えられない提案だ。
何かが変わってきている。俺の中で。
「てめぇはその雑魚女と来な!俺とこのツレで潰してやるよ!!!」
蛇白の横には図体のでかいしかめっ面の男がいた。
「あんま調子乗んじゃねぇぞ?」
不良と2回もやり合うことになるなんて。
蛇白は、「勝負は放課後だ!」と言い残して去っていった。
「カケル君、ありがとう...怖かった...。」
「でも、俺たちであいつらに...」
自分で啖呵切っておいてビビってんのか俺!?
でも、俺たちならきっと...リョウも多分同じ感覚があったのだろう。
それに、ミヨを助けられたなら悔いもない。
「絶対勝つ!昼休みに対策するぞ!」
「うん...!」
まず昼休みになる前に蛇白についてリサーチをすることにした。ミヨはメモを持って張り切っている。
心なしか楽しんでるような。
何人かに聞いた情報によると、蛇白は鎌を使っていて、蛇みたいに低く素早い攻撃をしてくるらしい。
持っている能力は「スネーク・ポイズン」
蛇状のエネルギーが地を這って、噛み付いてくるらしい。食らうと毒でHPが持っていかれるとか。
質問した人がみんな恐ろしい顔で話すもんだから不安が増してくる。
ミヨはというと、
「もっと聞かせてください!情報が必要なんです!」
「もう勘弁...。」
まるで事件を追う記者だ。熱が籠っている。
昼休み。校庭で作戦を練る。リョウにも手伝ってほしかったが酷い風邪で休んでいるらしい。こんな時に...
「マジカル・ファイア!!!」
「おー。」
ミヨの能力は炎属性のエネルギー。エネルギーが炎の性質を持つようになるんだ。
「カケル君の能力は?」
「俺は...無いんだ、能力。」
ワンダーは始めてしばらくすると一人一つ能力が宿るんだ。でも俺には能力がいつまでたっても宿らなかったんだ。
能力が発現しない人はよく「怖いものから逃げている。」なんて言われている。なんかの調査で調べたらしい。キ石エネルギーを利用した感知システムをネガティブな感情が邪魔してしまうんだって。
よく周りからは下に見られたが、「あいす」だけは馬鹿にしなかったことを思い出した。俺はまだ逃げているのかな。
「大丈夫だよ!カケル君は強いから!」
能力に性質が加わると基本それを外すことはできない。しかし無能力では器用貧乏だ。特出した能力を使いこなすやつには勝ちにくい。
「私の炎もあるから大丈夫!」
「ミヨ...」
そうだ。能力が無いことを嘆いている暇はない。
とにかく今は作戦を考えろ。
「そうだ!こうすれば勝てるかも!」
「どんな作戦?」
放課後。2回目だから少し慣れた。
まだ一年中パシリじゃないからマシだけど財布を渡すのはすごくイタイ。
「やっと来たかァ。」
「絶対負けないんだから!」
大丈夫だ。作戦は立ててきた。
フィールド展開。フィールドは、、、
学校の周辺の街がベースみたいだ。あまり高い建物はないがこれなら作戦通りにやれるはず。
不思議とミヨと一緒なら負ける気がしない。
でも、かなり厳しい戦いになることを俺たちは知らなかったんだ。
第4話「心が燃えていて。」 おわり
...なんだかカケルに少しづつ変化が訪れてきましたね。
次回もお楽しみに。
補足)リョウの熱は40度を超えている。カケルの髪色は茶髪。




