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第2話 「今、起きた。」

放課後は、嫌と思っても来てしまった。

戦う前から冷や汗で背中も心もキモチワルイ。

「やっと来たか、雑巾。」

校庭で鬼ヅラが佇む。

「ほんとにやんのか?リョウ。」

「当たり前だ。絶対勝つ。お前とならやれる気がしたんだ。」

「そりゃドウモ。」

俺はしばらくワンダーやってないし、リョウが強いのかもよくわかってない。


「フィールドが開くぞ。」

ワンダーは対戦する両者のリングからエネルギーが放出され、戦うフィールドができ上がる。リングの中にある「キ石」って石のおかげなんだって。

両者、フィールドに入る。緊張が走る。

仕組みはよく分かんないけどフィールドの中と外で広さが違う。フィールドの中は広大な都市のようになっていた。

「早く配置につけよ。」

急かしやがって鬼ヅラ...!

「カケル、作戦を立ててきたから話すぞ。」

「おお...!」

でっかい図体にしては頭脳派なのか!って期待するのは良くなかった。

「お前が上のビルから銃とかで狙撃して、その隙に俺がハンマーでぶっ叩く!」

...たしかに俺の武器である「雨傘」は打撃、傘を開いて防御、そして先端からエネルギーの射撃ができる。

しかし作戦がすごく雑だ!


「さぁ作戦開始だ!」

「やるしかないか...」

ビルを駆け上がる。試合中は個人のリングに個人差ある量のエネルギーがこもっている(以下EP)。運動の補助や攻撃、防御をしてくれる。これを削りきらなきゃ所謂HPに攻撃できないのだが、EPがゼロじゃ抵抗虚しくすぐやられることが多い。システムを振り返ってるうちに屋上に着いた。


「よし...やるぞ...!」

見下ろしてみる。既にリョウと鬼王は相対しており、今にも戦闘が始まりそうだった。

俺は急いでエネルギーを込める。これを外したら終わりなんだよ...!当てろよ俺!

エネルギーで出来た青い弾丸が駆け抜ける。

そして、、、その玉は鬼の足元に着弾する。

外れた。外れた外れた外れた外れた外れた

どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう!?

緊張と恐怖で頭がおかしくなっているのだろう。

完全にパニックだ。


鬼は着弾した弾丸に気づかず、リョウに大剣で攻撃を仕掛ける!

「インパクトスラッシャー!!!」

「ぐわぁ!!!」

リョウがダウン。しかしすかさず反撃する。

「パワースマッシュ!!!」

「当たるかよそんなのっ!!!」

躱された。そして大剣で思い切りリョウを吹っ飛ばした。

やばい!もう一度狙撃を...!

急いでエネルギーを込める。その時俺はゾッとした。

鬼王が睨みを効かせて俺の目を突き刺す。

そして放った2発目はことごとく弾かれる。

「気付かれてた...」

俺はワンダーを辞めたあの時から自分より強いと感じたものに強い恐怖感を覚えてしまっていた。

「降りてこいよ雑巾2号!!!」

「ぐっ...」

仕方なく、足にエネルギーを込め、屋上から着地する。


「お前も潰れろよォ!!!!」

俺は剣に吹き飛ばされ、気付けば目の前には青空が。

何が起きたのかよく分からなかったが怖い。

リョウもまた攻撃を受けたらしく、横に倒れていた。


「リョウ...大丈夫か...?」

「あァ...まだエネルギーは残ってる。」

試合中はフィールドのエネルギーで怪我や痛みなどはないが攻撃を受けた衝撃のようなものはある。痛くなくても衝撃があるんじゃ気分は良くない。

「やっぱ勝てねぇよ。あんなのに。」

心から流れ出る諦めが口から溢れてきた。その時、

「諦めんな!!!」

「!?」

「勝手に巻き込んで悪かった!でも、この試合が終わるまでは一緒に戦ってくれないか?もし負けたら...俺の顔を殴るなり好きにして構わないから...」


リョウはまだ諦めてないらしい。たしかに勝手に巻き込んだことには怒っている。怖い。また勝とうとして、負けて、心を折られるのが。あの時だってスカした表情のアイツが怖くなって、逃げて、逃げて...

でも同時に勝ったらすごく嬉しいだろうという気持ちも湧いてきた。

今この時くらい、立ち向かってみても...いいのかも...


「...やってやるよ。でも負けたら顔面1000回殴るからな。」

「2人なら勝てるさ。お前とならやれる気がしてんだ...。」

さっきも言ってた。何を根拠に。でももしかしたら...やれてしまうかもしれない。

「いくぜ!ランス・ザ・グラウンド!!!」

リョウの所謂「魔法」のようなものだ。ワンダーでは属性を持った攻撃をできる者もいる。能力は千差万別なのだ。

足元の土が槍のようになって鬼に向けて高速で進む!

「ぐぅ!!!!」

鬼もすかさずエネルギーでバリアを作りガードする。


その間俺はリョウのかなり後ろの方でエネルギーを貯め始めていた。足にエネルギーを集中させる。

「うおおおおおおお!!!!!!!!」

心が折れて腑抜けていた俺を吹き飛ばすように、日本一を目指して未来を夢見た俺のために。

今までの自分への怒り、夢、全てを賭ける。

「飛べええええええ!!!!!」

限界まで貯めたエネルギーは俺を高速で鬼王のいる場所まで飛ばす。

「カケル!!!」

「俺に任せな!!!!!」

一時期使っていた口癖。ボコられてから自信がなくなって使わなくなってしまっていた言葉だ。

俺の全力の体当たりはリョウの土槍を砕き、そのまま鬼にぶつかる!

「ぐわぁぁぁぁぁ!!!!」

あまりの威力にオニのでかい体が吹き飛んだ!

「リョウ!!」

「あァ!!!」

俺たちは相当相性がいいらしい。俺の目線だけで意志を汲み取り、俺の足を掴み、思いっきり投げ飛ばす。

「喰らえ!!!ストライクレイジ!!!!」

「ぐおおおおああああっっ!!!!!雑巾なんかにぃ!!!!!!!!」

鬼王のエネルギーはさっきの攻撃で尽きていて、俺の一撃により撃破された。


俺は上の空で地面に横たわっていた。ぼーっとしながら、さっきの技名 咄嗟にしてはかっこよかったよなぁ

なんて考えていた。


これが俺の本当の「始まり」だったんだ。


第2話「今、起きた。」 おわり

第2話です。ついに戦いましたね。

書いてる途中でページの後半間違って消しちゃって大変なこともありましたが2話完成です。

感想とか待ってます。

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