第14話「起爆剤。」
「サヨル!!」
傘で殴りかかる。
「君に用はないんだけどな〜」
よけられてしまう。エネルギーを使えないせいでスピードも威力も出ない。
笑わない眼。怖い。それでも!
「はっはっは。無駄だよ〜。」
俺を乗り越え、ミヨの元へ。
「リョウ!!!」
「させるかよ!」
「邪魔邪魔〜。」
リョウのハンマーを軽くいなす。
「ミヨ、終わりだ。」
「させねぇよ!」
サヨルの攻撃を受け止める。
「なら君からね。思ってたより強いや。」
サヨルが俺に鎌を振る。
「当たるかよっ!」
避けた。俺の武器は傘、それに素早さだ!
「それなら…僕の能力を見せてあげるよ。」
なんだ…?
「能力ってのは…これだよ!」
サヨルがジャンプした。その瞬間だった。
「それっ!」
多分…斬られた。
とてつもなく、速い斬撃。だと思う。
「な…んだ?」
「僕の能力は空中でのスピードが跳ね上がる能力。
エネルギーを追加で使っちゃうからあんま好きじゃないけどね。」
今の俺があれを受け止めるのは…無理だ…
「君はすばしっこいけど…エネルギーがないんじゃ無力だよ。諦めてミヨを渡してほしい。」
その時、サヨルの背後に…
「うりゃァ!!」
「うわっと。危ないな〜」
リョウだ。俺も諦めてたまるか!
渾身のコンビネーションをぶつける。
お互いの攻撃の隙を埋めるように攻撃を叩き込む。
「わわっと。仲良いんだね君たち。」
避けられてしまう。
「そろそろ、終いだよ。」
高速の一閃。そして、
無惨にも…俺とリョウは撃破された。
「まじか…」
「ちくしょう…!」
「楽しかったよ。カケル君、リョウ君。」
撃破されるとフィールドの外に転送されるようになっている。それまであと10秒だ。
「ミヨ!!!」
「!?」
ミヨの表情は焦っていた。
俺は、伝える。
「お前なら!!絶対に!!勝てる!!」
「わ、私じゃ…」
最後の言葉。
「俺は、信じてる。」
そして目の前はフィールドの外へと。
「ミヨなら…きっと…」
「あいつなら大丈夫だ!絶対!」
「私が、やらなきゃ…」
そう思っても足が竦む。
さっきは全く歯が立たなかった。
(俺は、信じてる。)
カケル君の言葉を思い出す。
ワンダーをやりたい。みんなと。
大会に出て、頑張りたい。勝ってみんなと喜びたい。
「ミヨ、今度こそ、トドメだ…」
大会にはきっとお兄ちゃんより強い人もいる。
「わかってくれよ。俺だって本当は…」
お兄ちゃんは少しだけ辛そうな顔を見せた。
誰かにやらされている?
「お兄ちゃん。」
でも、今は、
「私が、勝つよ!」
なんでお兄ちゃんが止めようとするのかは分からない。でも勝ったらいい。
そういう約束。カケル君だって鬼王に勝った時、似たような気持ちだったはず。
「私、まだ…本気じゃ…なかったよ?」
「嘘つけよ。あんな必死で。」
そう、嘘。さっきは本気だった。でも…今はまだ先へ、行ける気がする!
「ま、まさか…!」
身体中に炎のエネルギーを巡っていく。
私のリングが、想いへ呼応するように、
…ヲ感知シマシタ。
〝ネクスト〟能力、サドウ…
第14話「起爆剤。」 おわり
次回はまた新要素が出そうですよ!
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