表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
5/33

第5章(神々からのメッセージ)


「明ちゃんは、ずっとずっと昔は卑弥呼だったんだって」と、まやかしがからかったことがあった。

「だから、この神社とは縁があるんだ。あのチカン野郎の大切なところに、

持っていた枝を突き立てたんだから、びっくりしたよ」と。

「あどけない少女の顔をして、夢見るような虚ろな目で、ぐさりと命中させるなんて、

剣のたしなみでもあるのかと思ったよ」と、くしゃくしゃの顔をした老人が笑いながら言う。

もちろん、この老人もこの世の人ではない。誰かが「七福神」と呼んでいた。

この神社には、さまざまな神を祀った祠があり、七福神を祀った社もあったことを思い出した。

人が願えば、神々さえも半透明で現れ、言葉をかけてくる。

まるで劇画のように、いつも突然現れては消えていく。

こちらが望むと望まないとにかかわらず、何の方程式もなく現れ、聞こえるように話しかけてくる。

「柿の木を切らないように言ってくれんかのう」と、白髪の老人が話しかけてくる。

「そうなんじゃ。あの柿の木を切った途端に、娘の命は消えてしまうんじゃ」と、

他の男性が懇願してきた。

「そんなことを頼まれても、いきなり家の人にこの話を告げたら、

頭のおかしい人だと思われてしまう」と困惑しながらも、あまりにもうるさく言うので面倒になり、

玄関から出てきた女性に告げた。すると、驚かれた。「やっぱり」と後悔しそうになっていたら、

女性の目から涙がこぼれた。

「娘が熱にうなされて、今、病院に行こうと思っていたところなんです。

そういえば、昨日枝を切ったら、植木屋さんの上に落ちてきて、作業が続けられなくなったんです。

きっと、柿の木の祟りだったんだわ」

そう言って庭に出ていき、謝っていた。あの白髪の老人が会釈をして、柿の木の中に消えていった。

木には、たわわに柿が実っていた。眩しい秋空を見上げると、うろこ雲が浮かんでいた。

そして、その雲がいきなり竜の姿になって、真っ直ぐ空高く昇っているように見えた。

こんな風景を目にすると、自然の驚異を感じずにはいられない。

しばらく眺めて帰ろうとしたら、さっきの女性が大きな紙袋を抱えて、明菜に差し出した。

「よかったら、お持ちになってください。おかげで娘の熱も下がりました。ありがとうございました」と言った。

紙袋の中には、大きな柿がたくさん入っていた。かなり重かったが、

立派な柿は祖母と母を笑顔にしてくれた。甘くてジューシーな味は、

きっと来年も、またその次の年も、多くの人の舌を喜ばせることだろう。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ