入学③
この学校は他校とは全く違うところがある。
偏差値もそこそこ高いがそれ以上に、この学校は他校とは決定的に違うシステムがある。
遅刻した女子の名前は寺崎凪沙というらしい。
僕が聞いた訳ではない、ヘタレの僕が聞けるわけが無く、ついさっきまで行われていた自己紹介で知った。
「よろしくね。川島香くん」
自己紹介が終わると凪沙さんは僕の方を向いて話しかけてくれた。
「よろしくお願いしみゃす…!!」
少し噛んでしまった。
「フフ…そんなにかしこまらなくても良いのだけれど…まぁ、いいわ」
恥ずかしい、まさか緊張して噛んでしまうなんて…落ち着かなくては。
「はーーい。では自己紹介も終わったところでこの学校について少し説明したいと思います。始業式もすぐなので手短に」
教科書などだろうか?普通なら自由時間等だと思うのだが…まぁ従うとするか。
「皆さんはもう既に分かっていると思いますけれど、本校では生徒の想像力と行動力を高める事を目的としています」
そこはもう知っている、ホームページにも書いてあったからな。けれどそれだけなら話す必要はないよな?まだ何かあるのか?
「その為、本校では他校とは違う、本校だけのシステムを採用しています」
なんだそれは?初耳だぞ、母さん何か隠しているのか?
「そのシステムは、『ラブコメバトル』という物です」
は?何だそれは…ラブコメ?バトル?全く分からない顔をしている僕を先生は見ると話を続け始めた。
「『ラブコメバトル』その名の通りラブコメをペアでしてもらい、相手より、萌えるラブコメをした方が勝ちです」
説明して貰っても意味が分からなかったが先生はお構いなしに話を続ける。
「そして、勝利した方は『ハート』という物が送られます。そのハートを5つ集めることが進級の条件です。もちろん通常の授業も行います。何か質問がある方はいますか?」
「先生先程ペアと言いましたがそのペアは誰なんですか?」
俺は当然の質問をした。
「本当に何も知らないんですね、隣に居るじゃないですか」
隣?どういうことだ?
「はぁ…左よ左」
左というと凪沙さんしかいないが…まさかとは思うが…そういうことなのか!?
「よろしくね。川島香くん」
彼女はもう一度にっこりと微笑みながら別の意味で僕に挨拶をした。
巨乳と貧乳で言ったらどちらが皆さんは好きですか?僕はもちろんどちらもです。
今回もありがとうございました。
また次回もよろしくお願いします。