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失墜の吸血鬼-転生黎明譚-  作者: 久慈
―能力開花編―
17/27

-経過-

初めて俺が修行っていうか、カインズや父さんに訓練を付けて貰った日から、かれこれ数週間が立った。

未だにカインズには一撃も入れる事が出来ないが、カインズはにこやかに今のは危なかったですとかもう一歩でしたなと言ってくる。


でもやってる俺からしたら一向に届く様には思えない、素人が身体能力上がったからって流石に敵わないよなぁ…

前よりは確かに服とかに掠りそうな場面は増えたけど、所詮は当たっても服が良いところだ。

一撃を与えるとは意味合いが変わってくる。


だがどうにか体術と術でカインズを追い込む所までは比較的にうまくやれる様には自分でも大いに思う。

だがあと一歩足りない、なにがどう足りないんだろう か?


やっぱり俺の場数不足からの応用出来ない事と、技への根本的な慣れか?

それを補うにはどうしたら良いかな…

カインズとの組手じゃなく、また森に行ってみてまた野生の魔物とやりあってみるのも手かな?

だけどもうあんな大物は遠慮したいな…


だけど得られたものもあった、スキルと俺のレベルが少し上がった。

レベルも7上がって現状33レベルに上がったし、周囲探知も4まで上がった、効果としては効果って言うか頭の中に見える生物の影がより鮮明に顔の細かいところも判別できるようになった。

これは大きな進歩だ、そして別のスキルも習得できたのだが…なんとそれは…

【並列思考Lv1】【痛覚軽減Lv1】を覚えることができた。

たぶん戦いながらいろいろごちゃごちゃ考えたりしていたから自動で習得したのだろう。

だが体感として酷く違和感がやばいのだが、頭の中で二つの考えが同時に出来るのだ、言ってることがわかなねぇと思うが、あぁ俺もわからん。

だが効果としてはカインズの動きに集中していつつも、もう一方でどこで魔法を使って効果的かなど別々に考えれるので、戦闘ド素人の俺からしたらありがたいことこの上ない。


そしてもう一つの痛覚軽減は思い当たるのがカインズに手痛くやられているからだろう。でもこれを習得してからというものカインズの一撃で悶絶していた物も、今は一撃も痛いには痛いが呼吸が止まるほどじゃなくなってすご~~~く助かっているわけだ。

誰もわざわざ痛い思いはしたくはない。


そして父さんに街に行きたいと思っている事を話したら街に今度行くと言うので連れてってくれるそうだ、名前は聞かなかったがこの地域じゃそこそこの大きさの街で必要な物はだいたいそこで揃うそうだ。


魔族の街だし、やっぱり商売をしてるよは魔族で人間は居ないんだろうか?

ここへ来て本当の人間は母さんしか見たことがない、見た目は人間でも実は狼みたいな種族だーとか、大蜘蛛だーとかそんなんばっかりだったし。


むしろ人間が母さんしか居ないんじゃないかとすら思える…でもあんな美人を射止めた父さんは凄いと思う、種族すら違うのに。

ただこの前、吸血鬼になった過程を母さんも初めて聞いたみたいだがかなりご立腹だったようでご機嫌取りにそっから数日間の父さんの腰の低さは言葉に出来ないほどだった。


吸血鬼の王様が人間の奥さんに対してご機嫌取りをしているんだ、それを俺が生きていた世界の誰が考えただろう?

高潔なプライドの塊みたいなイメージのある吸血鬼が人間の女性に尻に敷かれているんだ、そんな状況誰が想像した?でも俺の家族で目の前でそれが行われて居たんだからもうそれは。


でもそんな感じの風景はとても微笑ましかったけどね。

カインズもみて笑っていたし、父さんがカインズにどうしたら機嫌を直してくれるだろう…ってさ。


ほかにここ数日でなにかあったろうか?

正直、いつも母さんに甘えてたり父さんとカインズにご指導いただいてるくらいかな?

でもそれ以外の時は普通に家族で遊んだりしているが、やっと母さんと父さんに家族として、子供としてっていうのかな?それが出来るようになったよ。


でもそうしてるとたまに妹の事が頭に浮かぶ、あいつは記憶には無いだろうが母親から妬まれていたりしたので親の愛情を知らない、なのに俺はいまこんなに親から愛されていることが申し訳なくなってしまうときがある。


でもきっと康介君がいる、それ以上の愛情を注いでもらっているだろう。どうなったのか知る機会はもうないのだろうが大丈夫だと信じたい。

でも梓よ、兄ちゃんは元気に幸せにやってるよ、人生やり直してさ。


手紙位書きたいところだけどな。

でも最近充実しているのがつい怖くなるんだよな、あんな生き方してたせいかもしれないけど。

幸福が怖い、でもそれを忘れさせてくれる程に家族は愛してくれる。

だから正直不安に思っているのがあほくさいのだけれどどこかフッとした瞬間、寝るのに棺桶に入った瞬間などに思い出してしまう。


だけどこの後にまたカインズに新しい体術を教わる予定だ、いらないこと考えてたら差支えが出るな。

よし!忘れよう!!

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