-吸血-
戦闘シーンてどう書けばいいのかまだまだ勉強不足ですいませんが楽しんでいってください!
爆炎に包まれる山の主が悲鳴のような叫び声を上げている、それも当然だ。
基本的に硬い毛皮に守られてほかの魔物が居ても軽くあしらう事ができたために今まで痛みを味わうことがなかっただろう。
初めて剣に貫かれ、体内から爆炎で焼かれたことなど全てが奴にとって未知なはずである。
だがこれで仕留めれたかわからない、あの3mなんか優に超える巨体で体も屈強だ、体力もスキルで更に強化され並外れた体力じゃないだろう。
「やったか!?」
死亡フラグなのはわかってるが言わずにはいられなかった、こっちからした今ある最後の手段に近いものがある。血は正直もう流せない、今でさえ足に来はじめているのだ、これ以上やると気を失いかねない。
だがアニメにしろ漫画にしろこう言った場面で言ってしまう気分はよくわかった。
だがそんな心配は杞憂に終わり、のたうつ熊は叫ぶ力もなく静かになり膝から崩れ落ちた。
勝った?勝ったのか?
「よっしゃぁぁぁぁぁーーー!!!!!!!!嘘だろ!?この体格の相手に勝った!?すっごいな俺!!」
勝利の雄叫びを上げ、感傷に浸りながら熊に近づく。
もう一歩という所でビクンと熊が動き呻きながら起き上がりこっちを睨む。
「は!?あの爆発で死んでないのか!?」
立ち上がってきたことに驚き後ろに飛びのき距離をとる。
どうする!?もう手段はない、死ぬ?いや、簡単に死ねない、じゃあどうする?なにかあるか?何もない、無理だ、勝てない。
驚き焦り、悪い考えが浮かんで纏まらなくなる。
焦ってもしょうがない。
落ち着かせるために自分の右頬を。
本気で殴った。
右頬に車で突っ込まれた時より強い衝撃が走るが痛みで冷静になった。
勝ったと思ってるときに起き上がってきたくらいで焦りすぎたな、恰好わりつーのな。
だがこっからが正念場だ。
「いっつーー・・・さて、んじゃまー最終ラウンドはじめるか?」
相手も満身創痍だが爆発で逆に焼かれて血が止まってやがる、こっちは全身打ち身と出血多量みたいなもんだろう。
どうする?血が止まる・・・今の俺が血を吸ったらどうなるんだ?
身体強化みたいなもんが起きるのかな?
もうそれしか賭けれないだろう。
俺は覚悟を決めてフェイントを混ぜながら熊に近づく、奴もそれに反応して近づかれまいと自慢の剛腕を振りかぶって牽制をしてくる。
だが相手も相当弱ってるのだろう、最初よりスピードが段違いに遅い。これなら今の俺に接近しながらでも避けられる。
そしてほぼセロ距離、肉薄する距離で焦ってきているのか更に大振りの一撃が振るわれた。
だがそれが絶好のチャンスだ。
「あんがとよ!!!」
俺はあっさりと奴の渾身の一撃をしゃがんでかわし奴の腕は俺の頭の上を横切った。
その隙は大きなチャンスだ、奴のわき腹に出来ている爆発でてきた傷を狙いを定めて手刀で突き穿つ。
初めての生き物の体内、脈動や筋肉の動き、臓物の柔らかさ。
――――暖かい。
それらを確かに己が掌で感じながら俺はそれらを迷うことなく力一杯に引きずり出した。その瞬間、奴も理解したのだろう、自分の体に獲物の手刀が撃ち込まれその手により自分の腸が体外に引きずり出されたことに。
人間の時には経験しえなかったことが快感に感じてしまった。こんなこと普通の人間がしたら卒倒しかねない物だろう。
だが心地良いと、快感だと思っていると何処からか笑い声が聞こえた。
遠くもなく近くもなく、だが誰が笑っているのか気が付くのに時間はいらなかった。
―――――俺だ。
―――――笑ってるのは。
―――――この俺が快楽に酔って高笑いをしているんだ。
「ははははははははは、あっはははははは!!!!!」
俺はそして衝動に任せて傷に噛り付いた、生き血を啜るために。
初めての吸血、種の存在としての代名詞。
甘い、甘美というのだろうか?少し獣臭いがここで俺の存在を確認させられた。
俺は、吸血鬼だ。
奴に噛り付いてから一瞬にも永遠にも感じれた。実際はどれくらいだったか見当もつかない。
振りほどかれるが、離さない、吸い続ける。
相手の命を直に吸い喰らう。
だが奴もバカではない、仮にも森の主だ。このままだと危ないと獣の感かなにかで察知したのだろう。
弱弱しくも人間を殺すには有り余る力で腕を叩きつけようとしてきた。
目には見えないが俺には周囲探知がある、背後でも目の前のこいつがどう動いてるか見えてるようなものだ。
俺は吸うのを中断し思いっきり奴の腹を蹴って回避すると何故か奴が悲鳴のような短い叫びをあげて怯んだ。
心臓が高鳴る、力が溢れ出るような高揚感。
自分の体の感覚を確かめる為に怯んでる奴をしり目に軽く準備運動をする。
《初の吸血の効果により一時的に身体能力があがりました》
「この体の軽さはそのせいか」
羽よりも軽く感じるし力はまともに打てばこの熊すら最初の大木と同じく木っ端みじんに出来るんじゃないか?というくらい力がみなぎっている。
「でもそろそろ終わらせようか?」
態勢を立て直した主に一気に間合いを詰める、奴も余力がないようだが反撃しようと威嚇してくる。
「いま楽にしてやる!!」
両手にさっき奴の血を吸って補充した血液を使い先ほどの剣よりも大きな剣を形作る。
本数は二本だけだが、最初の物より血の純度がはるかに高く硬度も高く出来上がったその血の大剣。
奴の主としての立場に敬意を表してこちらも確実に命を取りきる攻撃を仕掛ける。
奴は右前足で殴りかかってきたのを二本の大剣で防ぎ切り、剣をその硬い毛皮に押し当て滑らせながら高速で腹部に入り込む。
奴の腹は最初の俺の攻撃で今やもう弱点の宝庫となっている。
「いい加減!!くたばれぇぇぇ!!!」
雄叫びを上げながら、奴の複数の傷跡に高速で大剣を一本だけ奥深くまでねじ込む、絶叫が聞こえるがお構いなしに腹部を通り抜け。方向転換して奴の背の傷、一番心臓に近い物に狙いを絞り跳躍する。
まだ奴はなにが起こったか理解してないし、俺が後ろにいるのも把握してない。
いまが勝機なのだ、俺は飛んだ。
高く、限界まで高く飛び奴のその傷に垂直に剣を突き立てた。
だがまだ終わらない、背に乗られたのが分かったんだろう。物凄い怒号をまき散らして俺を振り解こうとしてくる、その勢いに乗り一気に距離をとる。
何故か、最初の物より爆発範囲が大きいだろうからだ。
「これで本当におわりだ、ありがとう。じゃあな!」
奴に向け手を広げ突きだし、握る。
その刹那、奴の前面と背面で最初の比ではない爆発が起きる。
おれはその轟音と爆風を真向に受けながら奴に感謝した。
様々な経験を積ませてもらったのだから、だがもう体は動かないくらいへとへとになった。
「あーー、死ぬかと思った・・・でも楽しかったな」
奴の完全に沈黙した体を見てつぶやく。
《鋼毛熊を倒したことによりレベルが26に上がりました》
「一気に26!?すっげぇな!!でももうやりたくはない・・・」
取りあえず一休みしてからあれの処理考えよう。
そうして俺は近くの木の腰かけて風に涼んだ。




