-森の主-
遅くなりまして申し訳ございません・・・
今の俺に少しも恐怖心が無い、と言ったら嘘になる。人間だった頃ならこんな巨大な化け熊見たら恥ずかしげもなく泣いて逃げ出して問答無用で餌になっているだろう。
だが今はそんなビジョンは微塵も浮かばないし転生ものに憧れていた俺だ、いざ転生して有名な魔族であるハーフと言えどヴァンパイアになったんだ。
当然、自分の力量に興味があったり俺TUEEEに夢を馳せてしまうだろう?
それが夢じゃなく現実になり、そう。
今それが絵じゃ文字ではなく自分の体で考えで確認できるのだ。
居ても立っても居られず恐怖の震えではなく高揚感からの武者震いで手も足も心の臓すら震えて感じる。
俺は確かになにが出来るかすらわからずこんな死地に飛び込むような真似をしてるのに楽しくてしょうがないのだ、これも転生して違う種族になり。
俺の本質が変わったと言うか、今の体に心や考え方まで寄ってきた、と言うべきか。
この森の主みたいな熊もやる気まんまんみたいだしな。
「格好良く転生人生の初勝利飾らせてもらうよ熊鍋ちゃん!」
軽く啖呵を切ったは良いがどう攻め込むか、いくら先ほど大木を吹き飛ばした力はあるとわかっても相手は普通の熊じゃないのは見るからに明らかだ。殴りかかって安易に勝てる相手でもないだろう。
だが策を練るより先に相手の化け熊が動く、二足歩行から四足に切り替え一気に力で叩き潰す気なのだろう。ここまで来た時と同じほどのスピードで一気に距離を詰めてくる。
くっそ、巨体と侮っていたけど早い。
多少の焦りはあれど距離があったので躱せない速さではなく難なく避けれはしたが、突っ込んでくるトラック相手にどう戦えってんだ?
考えてる間にもう一度、方向転換をして突っ込んでくる。
「でもただ突っ込んでくるだけならもう避けれんだよ!!」
今回は避けながら突っ込んでくる熊の横腹を渾身の力を込めて殴り抜ける。
「こいつかてぇ!」
多少の手ごたえはあったが態勢が万全じゃなく打ち込みが浅かったのだろう、振り返ってこっちに睨みを利かせている熊には全く効いてる様子がない。
「お前さ、めっちゃ硬くね?」
つい悪態をついてしまうが現状を打破する手段が全く浮かばない。
あいつに弱点とかないのか?真っ向から力勝負しても絶対に勝てないだろう、まず第一に殴ってわかったが毛皮が異常なほど分厚く硬い、硬すぎる。
まるで毛皮じゃなく鎖の束みたいなものを殴ってるような感じだった。
「こいつの鑑定をしろ!」
化け熊の弱点やなにか打開策がないか大きな声でスキルに鑑定を要求しすぐに返答が頭に響いた。
《種族名:鋼毛熊特徴:屈強な筋力を有しており、そして全身を守るようにその上から銀色の毛皮は鋼鉄のような硬さを誇っておりますが、毛替わりで所々にある黒い新毛の部分は銀色の部分より遥かに柔らかくなっています。そしてこの種に関しては、スキル「森の主」によってステータスアップがなされています》
「道理で殴っても痛い訳だよ・・・」
殴っても効かない、どうする?なにか出来る事。探せ、探すんだ。
そうか、おい。俺は血の操作や応用した魔法はつかえるのか!?
焦って聞いてはみたものの、もしこれで何もできないと言ったら本当に食い殺されかねない、引き殺されて次は熊に食い殺されるとかそんなん真っ平だ。
《可能です、正し今は身長が小さく血の絶対量も少ないので使用は危険です》
「ゴアアアァァ!!ガァ!ゴアァ!ゴァ!グァァァァァァァ!!」
熊がこっちのやり取りを遮るかのように突進から前足での乱打が迫ってきたが避けながら考える。
「危険・・・か!!どーしたもんかーーーっね!?」
一回死んでるんだ今更なんの危険がある、このままむざむざ死ぬなら危険の狭き門くらい潜り抜けれなくてどうするってんだ。
思い出せ、血を使えてもどう使う?間違えばそれこそただ失血死して餌になるのは俺の方だ。安易な手は打てないし、使っても熟練度は低いだろう。
本では応用の仕方などいろいろ見はしたけど初めてで応用とか使えるのか?。
「冷たっ!?」
思考を駆け巡らせながら乱舞を避けてるうちに池に足を突っ込んでしまった、だが足元をみて閃いた。
「これだ!」
これが通用しなかったらまったくもって笑い話にもならずに俺はここに野垂れ死ぬ。
「今から面白いもん見せてやるよ」
俺は集中してイメージを固める。自分の中の血を外に出し、血を固め形作る。
それが具現化され掌が冷たく感じる。
俺の血が掌の上で逆巻き。
拳大の血の球が徐々に長細くなり弾けた。
そして俺の手の上に剣が形作られる。
そう、自分の血を形成して剣を作ったのだ。
「おぉ!!初めてだけどいい感じだな」
それを見てより化け熊が俺に更に敵意をむき出し咆哮した。
「ゴガアアアアアアアァァァァァァァ!!!!!!!」
最初の咆哮よりも怒号に近いものになっており、余りの声量に耳を塞いでしまった。
「うあ!?」
それを奴は見逃さなかった、その剛腕を惜しげもなく振りかざしてきた。
俺は避けることも出来ずに諸に直撃をもらってしまう。
「がっっは!!!!!」
俺は凄まじい勢いで吹き飛ばされ滝を突き破り岩場に叩きつけら息が詰まる衝撃と痛みが襲ってくる、巨体なだけあって強力過ぎるい一撃だったが、だが一撃ならまだ耐えられるし、何より好都合だ目的のための時間が短縮されたのだから。
「がっは、ゴホッ!あ、あんがとな糞熊!!」
池に池に血反吐を吐きながら熊を見据え、先ほどの剣が通用するのか確認するため切っ先を奴に向けて態勢を立て直し奴が突っ込んでくるのに合わせこちらも踏み出す。
足元の水が爆散し俺と奴の距離が一気に縮まり体を反らし避けかするように切りかかる。
だが手答えがなく全く切れてない、それも織り込み済みなのでなんら驚きはしないが。
所詮は初めての作品だ、なまくらに違いない、ならどうする?
俺は今、奴がいる池に持っている剣を投げ捨てた。
そして能力を解除して剣の形が崩壊してただの液体に戻って池に溶けてしまった。端から見れば戦いを放棄した様にしか見えないのだろう。
「おい糞熊!俺はもう素手だぞ!!こいよ!!!」
それを聞いて一直線に熊は俺に駆けてきた、決着をつける気なのだろう。
明らかに今までよりも気迫とスピードが増した、だがそれがお前の敗因だ。
俺は集中し形成した、一本じゃない何本もの剣を頭にイメージした。
だが熊は容赦なく突っ込んできた、だが直線なら躱せる。
交差の瞬間、熊の尻を蹴って池の方に跳躍する、理由?近ければ近いほど操作が簡単だと思ったからだ。
「さぁー多分いてぇぞ?」
さっき池の水と溶け合ってしまった叩きつけられて流した血と、投げ入れた剣の分の血をかき集め。
それに池の水を混ぜたまま氷結化し剣を作り俺の血で水の混ざったことで落ちた強度を補強し幾つもの剣を池から浮かばせる。
これは屋敷で血液魔術の応用で氷結化などの応用の本を読んでなきゃ思いつかなかったであろう。
熊は俺に突進してきた、さっきの剣が浮いてたところ効かないと思ったのだろう。
だがそこが獣、甘い!!
「効くかわかんねぇけどさ、全弾・・・いっけぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
俺は叫びながら熊の所々にある黒い新毛の部分に全身全霊をかけて狙いを定め打ち込む。
突進してくる奴に一本、また一本と刺さりすべての剣が奴を串刺しにしている。
計8本の剣が刺さったがまだまだ足は止まらない。
「予想はしてた、だからこれが最後・・・爆ぜろぉぉ!!!!」
頭で剣が爆発し弾けるイメージをする、それがそして今目の前で具現化する。
剣に混ざった強度を補強している血液がすべて爆発に力を変え。
その瞬間やつの体は轟音と共に爆炎に包まれた。
描写などわかりづらいところはございませんでしょうか?
なにか感想などありましたらコメントお願いいたします!!




