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脱走大作戦をしてみたんだが?

俺が転生してから3年間が経った。俺は今3歳だ。母さんが言ってたがこの世界は発達が早いらしい。だから俺が3歳で色々な言葉を喋っても怪しまれない。3年経って俺は人生の三原則を決めた。

一、面倒事は関わらない。

二、権力争いに関わらない。

三、平和に人生を楽しみ、恋愛する。

完璧すぎる。我ながら素晴らしい。



この屋敷に入ってからずっといかついおじさんに「ヤナト様はやはり次期首領候補ですな」と言ってきた。まじでする気ないからな!?それからそいつが部屋に入ってきたらギャン泣きを繰り返してたら母さんが出禁にしてた。ざまぁみろ。



今は夜だ。横に母さんが本を読んでいて多分自分の部屋に寝転がっている。これがニート生活。最高すぎる。寝っ転がってるだけでご飯も食べさせてくれるし勝手に色々な処理もしてくれる。元大人だから俺はかなり恥ずかしかった。でもまぁ、そこまで不自由ではなかったし。ただめちゃくちゃ暇。前世はさ、スマホあってさソシャゲや恋愛系ゲームとかしてたのに今世ないんだよ。恋愛系ゲーム懐かしいな。俺のだけハーレム体質じゃなくて色んな女の子に振られまくったな。



現状はこんな感じだ。あぁー、このままずっと寝っ転がってるだけでいて〜〜〜。

いずもさんがコンコンコンとしてから部屋に入ってきた。



「奥様、ご準備ほとんど完了いたしました。残りはお弁当箱だけです。」



「あ、そう。ありがとう。お弁当箱は家にあるのでするから買いに行ってくれなくてもいいわよ。」



「了解いたしました。」



なんの準備だ?お弁当箱?なんだ?聞いてみるか。



「母さん、なんの準備?どこか遠出するの?」



「何言ってるの〜。前に説明したでしょう。3日後から幼稚園よ!いっぱい友達作れるわよ〜。」



「はっ?」



幼稚園?嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。このままこの屋敷にいときたい!異世界の幼稚園なんて絶対ろくでもない。なんで前世で十数年ちゃんと通ったのにまた十数年やらないといけないんだよ。卒業したのに。勘弁してくれ。



「あ、ヤナト!また服屋さんでかわいい服見つけたの!すぐに着せたいから下来てね。私は先行ってるから。」



「う、わ、分かった……」



また始まるよ、着せ替え人形タイム。また買ってきたのか。これで何回目だ。一回で20着くらい買ってくるから全部着て他のメイドさん達呼んでいちいち感想母さんが言わせてるから2時間くらいかかるんだよな。



よし、決めた。脱走しよう。ここにいてもよく分からん組織に入れられるだけだし、着せ替え人形ずっとされるだけだし。一番の理由は幼稚園いやだ!!!できるだけ現実逃避していたい。学校に行きたくない!



そうと決まれば即日決行。まずは屋敷の裏の塀を登る。そういえば俺の異能は"伸縮大小自在"だ。伸ばしたり縮めたり、大きくしたり小さくしたりを自由に触ったら発動できる。じゃあまずはここから出ないと。

シーツをロープがわりに窓から降りよう。シーツを取りベットにくくりつけて窓にシーツを落とした。そして俺の異能で伸ばす!完璧だ。



窓が開かない……。ほんとに監獄のようだ。しゃあない、割るしかない。自分の部屋の棚の上にあった長剣を手に取り、突き刺し割れた。手でやると怪我するからね。戻す時に床を傷つけてしまった。まぁいいだろ、どうせ逃げれるし



俺は窓から落としたシーツを握り、伸ばした。地面に着くまで。夜だからバレない。そっと降りていった。そっと、そっと。尻もちついたら絶対に痛い。降りて行ったら窓があったから中を見た。そしたら兄のレアンがいた。



「ん〜、どの本がいいのか。この本は読んだし、この本は30周したし。うーん。」



30周ってえげつないな。てか寝ろよ。明日学校だろ。俺が言えることじゃないな。なにがうーんだ。こちとら人生かかってんだが。



「あ、そうだ。これにしよう。「簡易的なロープの作り方と絶対にバレない脱走の仕方」これ気になってたんだよな。」



(やってねぇよ!)



危ない危ない。思わず口には出しそうになった。危ないのは俺の精神だ。もういいや、降りていこう。順調に降りていったらあと数メートルくらいだ。そしたら"ピキッ"と音が聞こえた。何の音だ?と思った瞬間に俺は空中に浮いた。



(え、ええええっ!)



空中に浮いたと思ったがくくりつけてたベットの足が折れ、地面に落下した。こんなギャグ漫画王道な落ち方すぎてびっくりした。



まぁ、降りれたからいい。地面見たら俺の尻の形がくっきりつけられていた。兄さんが見たら大笑いするだろう。まぁ、この家ともおさらばだからどうでもいいや。そのままにしておき俺は屋敷の後ろの塀の方へ行った。やはり衛兵がいる。塀を頑張って登るしかない



衛兵のいない所を狙って塀を登っていった。手が痛い、かなり痛いがここを脱走すれば絶対に今後幸せになれる。自分次第だろうけど。数十メートルある塀をやっと登りきれそうだ。手と腕の筋肉がはち切れそう。



「あと、ちょっと、で、俺の、未来は、安泰だ!

あっ。」



あとちょっとの所で手が限界に来たらしく落ちていった。あぁ、俺また死ぬんだな。次も転生できるのかな。次はまともな家がいいな。お願いします、神様。地面が近づいてきたような気がする。さよなら今世



「ヤナト様!!!!!!危ないです!!!!」



聞き覚えがある声だ。あ、いずもさんだ。間に合わないだろうな。だってあと数メートル。目を閉じた。………。いくら待っても地面に激突しない。あれ、おかしいなぁ。ゆっくり目を開けたらいずもさんの顔があった。



「間に合いました…。ヤナト様、お怪我はありませんか?」



「えっ、えっ、間に合ったの?ど、どうやって?」



「私の異能は"真楽"です。舞を踊ることにより身体能力が上がります。舞を踊っている時間によって身体能力が上がる時間が長くなります。私がたまたま舞を練習していて助かりました。普段の身体能力では後一歩ほど遅れていたでしょう。」



「へ、へぇ。ありがとう。ほんとに死ぬかと思ったよ。」



うん、異能使っても使わなくても強いわ。礼儀正しくて、強くて。欠点ないじゃん。



「そして、ヤナト様。塀を登るなんて、どうしたんですか。」



やっぱりそこ聞くよね。聞いてほしくなかったぁぁぁ〜〜。誤魔化すか、



「ええっと、夜の散歩に行こうかなって。いや〜、夜だから涼しいしさ。」



「そうですか。外へ外出なさる際は奥様にお申し付けください。一人で夜に外に出るのは大変危険でございます。」



「わ、分かった。ごめんなさい。」



「はい、では屋敷に戻りますよ。」



「うん。」



ちっくしょ〜〜〜。脱走できなかったな〜〜〜〜。でもこれで以外といずもさんちょろいってこと分かった。母さんに言われるかな。兄さんに言われるかな。怒られるだろうなぁ。嫌だなぁ。



「ヤナト様。今回のことについては奥様に秘密にしておきます。」



「え、いいの?いずもさんもバレたら怒られちゃうんじゃ……」



「大丈夫ですよ。」



「じゃあ、お願いします。」



「はい。了解いたしました。奥様にバレた場合は私がお庇いしますので、安心してください。」



「頼もしすぎる。なにからなにまでありがとう。いずもさん」



「これもメイドの務めですので。お気になさらないでください。」



にこって笑いながら言ってくれた。神様だな。この方。一緒に屋敷まで戻った。問題はどうやって俺の部屋まで戻るかだ。いずもさんは母さんに庭に行くと許可もらって出てるからいいけど俺は黙ってそれに夜に抜け出してるから見つかったらかなり怒られる。



「どうやって自分の部屋に戻ろうかな……」



「そんなこと簡単ではありませんか。」



「簡単?どうやって?」



「ヤナト様、脱走した時に窓は開けてましたよね。」



「うん。まぁ、あそこしか抜け道なかったから。」



「では、地面に座り体育座りをしてください。」



「体育座り?なんで?」



「お早めにお願いします。バレてしまいますよ。」



「う、まぁ。分かった。」



俺は大人しく地面に座り体育座りをした。なにをするんだ?いずもさんは。



「では、失礼いたします。」



「え?」



いずもさんが言ってから座っている俺をひょいと持ち上げた。めちゃくちゃ嫌な予感がする。



「深呼吸して、心を落ち着かせてください。3.2.1で行います」



「行いますって何を?」



「3.2.1。よっこいしょ。おりゃぁ!」



俺の疑問が解消されないままカウントが終わり、俺はいずもさんの手の上に乗り、ぶん投げられた。



「ま、まさか……!ちょ、ちょっと。うわぁぁぁぁぁ!」



数十メートルあるんだぞ!?なんで投げるんだ!?そなまま曲線を書きながら俺はちょうど自分の部屋のベットに顔から突っ込んだ。すぐに顔を上げて窓を見たらいずもさんが頭を下げて走って去っていった。



これで反省する……。訳がない!俺はこの生活から抜け出すんだ!!



そして今日は普通に寝た。


次の日は料理人が買い出しに行く馬車に隠れて乗って外に出ようとしたがすぐにいずもさんにバレた。そして俺の部屋の窓が割れていることと床に傷があることに気づかれ、怒られた。



次の次の日は塀の近くに行き、地面を掘って外に出ようとしたら地面まで塀が埋まっていたから掘れなかった。それを確認して帰ってる時にいずもさんにバレた。バレすぎだろ。



そして俺は3日が経ち、幼稚園に入園させられた。

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